ブログ再開

もう、どのくらい更新をしていないのか忘れてしまうほど長期に渡ってお休みをさせていただいておりました。にも関わらず、毎日アクセス数は変わらずに続いており、ダイレクトで入って頂いている読者の方や、Google等から入っていらっしゃる読者の方、本当にありがとうございます。

四月で、ようやく三年以上お待たせしてきたお客様のものが終わり、あとは、デザインが決まらずに、仕掛ることができないもの等、まだまだ仕掛らなければならないものはたくさんありますが、昨年決定したもの以外や、デザイン未決定のもの以外は一応一区切りという状態になりました。

最後に仕上げたものは薄いピンクのアーミンのコートでした。本当に、長期に渡りお待ちいただきましたが、仕上がりには本当に喜んでいただいて、長い間、仕掛れずに苦しんできたことも、ようやく報われたような気がいたします。

そして、長期間お待ち頂けたことを誇りにも思います。写真は正面からだとデザインが全部分ってしまいますので横からのものをアップします。

アーミンコート (さらに…)

【毛皮クリーニング】オガの効果と汚れ具合

今日は毛皮のクリーニングで使う、オガについて書いてみます。

毛皮用のオガは何種類もあり、用途によって使い分けをしているようです。私のところでは、スペースの問題もあり、そんなに何種類ももっていませんが、それでも三種類くらいの、細かいものから粗目のものを持っていて、素材によって使い分けています。

写真を見てもらうと、色が少し違うのが解りますね。左の少し赤みのあるのが新しいものです。右のオガは青みがついていますが、これは、使用済みのもののオガです。

oga

新しい原皮を使って作られたコートなどからは、このように色が変化したオガになることはありません。これは、リフォーム品を溶剤で洗い、オガと一緒にドラムがけして乾かしたときにできた、汚れたオガです。 (さらに…)

毛皮用のクリーニングドラムについて

ご無沙汰しています。本日からまたブログ投稿を再開いたします。昨年9月に少し書いて、その後、2015年11月の更新が最後になっていました。

最初は、もっとしっかり更新しようと思っていましたが、お客様の受注を遅らせながら更新するわけには行かず、ずっと更新できずにいました。まだ、新規受注以外に難しい仕事が数点残っているなかでの更新ですが、今日はそのお客様達にも少しお伝えする意味でも更新をしようと思いました。

私とところでは、オーダーであれリフォームであれ、毛と皮の状態を最高の状態にするということに差はなく、どちらも徹底して自分の納得のいくところまでやらさせていただいております。それを知っているお客様もいらっしゃれば、知らないお客様もいらっしゃる訳で、しかし、知っていようといまいと、毛質と皮の状態についてはとことんやらせていただいております。 (さらに…)

毛皮の仕上げ(ボリューム感を出すもうひとつの方法)

毛皮の仕上げの工程で、ミンクを例にとるとボリューム感を出すのに、いくつかの方法があります。

ひとつは、2012年8月6日付けの当ブログで書いたもっとも簡単にできる、スチームをかけて綿毛の根元のほうを縮れさせ方法です。

毛のボリューム感 http://wp.me/p2t2t1-7f

もうひとつは、あまり一般的ではありませんが、コラーゲンを使った方法です。毛をしっかりさせボリューム感をだすことに効果があるかもしれないと聞き、とにかく試してみようと思い、材料(コラーゲン)を仕入れて使ってみました。 (さらに…)

毛皮のリフォーム とクリーニング | オガドラムの効果

毛皮のリフォーム前のクリーニング「オガドラムの効果」について書いてみました。毛皮のリフォーム前に、弊社アトリエでは、徹底したクリーニングをしていますが、そのなかで一番大事な脂を抜く作業があります。

脂を抜くことの意味については、何度も書いているので他の記事を読んでもらえればよいのですが、今日はその脂を抜く作業のなかで、ひとつ大きな問題があることを書いてみます。

溶剤を使って皮の脂分を抜く工程は皮、毛、ともに溶剤に漬け込みます。そこで、溶剤に脂を溶け出させるのですが、あまり長時間つけすぎると脂が落ちすぎてしまい皮にとっては危険な状態になります。

しかし、中途半場に溶剤からだしてしまうと、液に溶けだした脂が毛全体についてしまいます。これは専門の業者さんにやっていただいたとしても、起こり得ることです。溶剤から取り出すタイミングや溶剤の量などに、微妙な感覚が必要だということが解ります。 (さらに…)

毛皮クリーニング、私のもうひとつのこだわり

見えない裏側の皮の部分のクリーニング

 

今日はなぜ私が見えない裏側の皮の部分のクリーニングにこだわるのか?という、もう一つの理由について書いてみます。

私が経験したリフォーム品の数は弊社がリフォーム専門ではないという理由もあり、そう多い数量ではありません。ただ、少ないと言っても年間で数点しかやらない訳ではなく、何百着と言う単位にはならないというくらいの着数はやっています。

このなかの半分近い点数で、匂い、カビ、は当たり前ですが、ダニ等の虫がついている場合がみられます。虫が付くのは古い毛皮コートの保管の状態に原因があります。 (さらに…)

毛皮のクリーニング(毛ぐせとり)


今日は毛皮の一般的なクリーニングと弊社のアトリエでやるクリーニングとの違いを昨年、ビデオに撮ったものがあったのでそれを見ながら説明してみましょう。

毛皮で一番大事なのは表から見える毛であることには間違いないのです。しかし、それと同じくらい大事なのが毛を支えている皮の部分です。私の経験では毛はほとんどの場合劣化しません。

皮は、以前も書いていますが、タンパク質でできていて、思ったよりも条件次第では劣化いたします。そして、劣化がある程度のところまで進行すると、病気の癌と同じように手が付けられない状態になります。 (さらに…)