毛皮のオーダーメイド(原皮の調達、そのニ)

以前、毛皮のオーダーメイド(毛皮の調達)という記事を書きましたが、今日は、実際にあったことを具体的に書いてみようと思います。

今回のオーダーメイドはブルーアイリスミンクのロングコートです。

一般の方には解らないかもしれませんが、メスのブルーアイリスをコートバンドルで持っているような原皮屋さんは、国内には、まずありません。しかも、メスの1~0サイズでアメリカ産で最高の原皮などと制限を付ければ国内では、まったく手配ができない状態になるのです。持っているところもないことはありませんが、当然、何年も前の、黄色く焼けたようなブルーアイリスがいいところでしょう。それほど、良い原皮を手配するというのは大変なことなのです。
 
今回は、ブルーアイリス300枚くらいの中から選びました。

レットアウトのラインを太くしたいという、今回のお客様の強い希望でメスの1~0サイズ(メスの一番大きいサイズ)を使うことになり、当然そんな原皮は国内にないわけですから海外からの調達になります。しかし、海外のブローカーから買っても、コートバンドルと謳っていても、色が完璧にそろっていることはなく、必ず色の合わない原皮も入れてきます。それが彼らのビジネススタイルだからです。

そうなると、オークションで落とす以外になく、しかも、ブルーアイリスのように薄めの色になると、クオリティの高い色の薄いミンクがたくさん出品される二月のトロントのオークションしかないのです。そのあとのシアトルもないことはありませんが、やはり、出品枚数が違います。ブルーアイリスのようなミューテーションミンクはもともと生産枚数がデミバフのようなミンクに比べ少なく、色も合わせにくいのです。ですから、出来るだけたくさん出品されるトロントのほうが、質の良いミンクが手配できるということなのです。

長澤

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