ロシアンブロードテールのMEN’Sロングコート

今日は5月24日に紹介したロシブロの原皮で作ったメンズロングコートをご紹介いたします。以前、マホガニーミンクでシルクリバーシブルコートを作らせていただいたお客様のコートです。画像が小さくて残念ですが、それでも腑(毛皮の模様)の豪快さは充分に伝わると思います。皮もとても柔らかく、この豪快な腑が動くと圧倒されます。

以前作らせていただいたマホガニーミンクのコートも、お客様には自分の自慢であり、宝だと言っていただいたこともあり、今回の仕上がりにも大変気を使い、細部まで気を配り、そして大胆さを失わないように努力しました。

以前も書きましたが、ロシブロの最大の良さ、凄さは見る角度によって見え方が変わることです。そして、グレーの色も角度によって黒く沈んでみえたり白く光ったり、紫ががったグレーに見えたりと表情が都度変わります。

ロシブロは縫う距離はレットアウトのように多くはないのですが、皮一枚一枚を合わせていき芸術性を高めるような作りが求められます。そして、実際に縫う手間も毛が短くていろんな方向に向いているので根気よく縫わなければなりません。

手間から言えば、レベルの低い技術者でも出来ないことではありませんが、完成度の違いには大きな差がでます。今回は一般的なイスラエルで一着分のプレートにされたものではなく、スキンから作っており、最近、スキンで作る中国産のロシブロコートに見られる直線でカットして簡単に縫い合わせるというような作りではなく、全てのカットをランダムな波型にカットして縫ってあり、スキン同士は自然なつながりになっています。

快心の出来でした。明日、お客様に納品するのが楽しみです。

長澤

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