毛皮コートの肩の色焼け料金

こんにちは、今日は数回前に毛皮コートの色焼けのお直しについて料金の結果が出ましたので報告致します。結果が安定したことと、作業時間もほぼ読めるようになりましたので金額を出してみます。

三回ほど前のブログで、肩焼け等の色の修正は、お客様との仕上がりに対する感じ方の違いという不安があり、仕事として受けるにはとても難しいと記載していましたが、処方を何度も見直し、結果の精度が上がりましたので初めて記載します。

金額はもちろんすべて一律ではありませんが、以前はものによってお直し金額に大きな差がありましたが、技術が安定し料金も 18,000円 から25,000円税別くらいの範囲でできるようになりました。

肩焼けの度合いによって多少差がでますが、それは酷い色焼けのときはどうしても手間が増えてしまうのでどうしようもありません。ただ、これまでよりは技術が安定し料金も確定しやすくなったのです。

もし、肩の色焼けが気になるお客様がいらっしゃいましたら一度問い合わせをお願いいたします。

これまでよりも格段に技術が進歩し仕上がりの安定感が増し、ようやく価格設定ができるようになりました。  長澤祐一

お客様のコートの香水の匂い

今日は、毛皮についた香水の匂い取りのことについて書いてみます。

私がここで書くのも失礼な話なのです。お客様の匂いを嫌だとはいえません。

私はどうでも良いのです。問題はその香水の匂いが他のお客様のコートに移ることが一番の問題なのです。

お客様によっては、まったく香水やオーデコロンを使わない方もいらっしゃいます。毛皮にとっては最高に良い状態を保てます。しかし、そんな方のほうが少ないのです。私の家内も毛皮を扱うようになってから、まったく香水等はつけなくなりました。

例えばですが、香水だけならまだ良いのです。これに毛皮についたカビも一緒に混ざるのです。

カビなんてと思うかもしれませんが、ご自宅で長期保管をされるケースでカビがつかないものは珍しいのです。以前、毛皮好きの知人と話したときに、私はかび臭いと判断しましたが、その方は、これがいつもの毛皮の匂いだと言いました。それくらい、自宅保管では簡単にカビが付きやすいのです

そこに香水の匂いと混ざるのです。決していい匂いであるはずがありません。私はカビの匂いはすぐにわかります。しかし、毛皮を良く知るひとでも、このカビの匂いが普通にあるために、これは特に変な匂いだと感じないのです。

以前、ロシアから臭気ブロックという薬品を購入しましたが、当初なんか嘘っぽく感じて信用していませんでした。それが、一度、匂いのきついコートに使ったら、すぐに効果は出ませんでしたが、数週間経つと、驚くほど匂いが取れていたのです。ロシアは戦争では大きな問題を起こしていますが、さすが毛皮大国ロシアでの薬品効果は凄かったのです。

匂いは、前回の肩の色焼けと同じで、比較しずらいのです。個人差が大きく影響します。

それでも、気になるという方は、一度お問い合わせしてみてください。

あくまで匂いは個人差がありますが、その個人差を超えて酷い匂いのときがあります。

何かしらお役に立てるかもしれません。  長澤祐一

アパレル3DCADの二つの似ているようで全く違う要素

今日もアパレル3DCADのことです。当初、私もアパレル3DCADの用途に対して、整理出来ていませんでした。ソフトを無償で使わせて頂いたりするなかで、こんなことをしたいんじゃないんだよな~と思うことが多かったのです。15年くらい前のことでした。

しかし、ソフト開発は、どちらかというと私の欲しいと思う方には進みませんでした。

すべてを知る訳ではないですが、デザイナーが欲しがる3DCADとパタンナーが欲しがるものの二つがあるように見えます。

企画等で使われる、モデルが着たような、よりリアルなものと、私たちが普段使うアミコさんの人体のようなものに、様々なタイプのシーチングを着せ付けて寸法やバランスを普段使っている人体に仮想で着せてみて確認をすることをメインの機能として作られているものとがあるように感じます。

一般的には、先に書いたデザイナーさんや企画会議に使うような、よりリアルなものが、いわゆるアパレル3Dと言われているように感じます。

私がソフトの試用をさせて頂いたりしたものは、そういうものが多かったのです。そんなこともあり、なかなかしっくりと来ませんでした。

もちろん、今、世にあるトップクラスのアパレル3Dソフトはすごいですね。毛皮素材も表現できるようなものもあります。

ただ、自分が欲しいものではありませんでした。理由は、毛皮素材に置き換える3Dソフトのようなものは私の頭の中にありますから。

私の欲しかったタイプの3Dソフトは、私の弱点を補い、生産効率を上げるためのソフトでした。トワルチェックに特化した3Dソフトだったのです。

そのことの違いをはっきり自分のなかで自覚したのは東レACSさんの3Dソフトとの出会いからでした。

よりリアルな3Dに一般的には目が行きがちです。しかし、簡単に個人レベルで導入できるものではありません。その点東レACSさんのものは、私のような個人レベルが大昔に大きな投資をした島さんのようなものではなく、とても導入しやすいソフトです。

今のCADや3DCGが以前の半分以下になったといっても、個人レベルで導入するには高額です。そう考えると、東レさんのものは私にとっては一度使ってみようと思って導入する決断が簡単にできる仕組みでした。

一般的には華やかで、よりリアルな3Dに目が行きがちです。デザイナーや企画側にとっては大事なツールです。

ただ、なかなかパタンナーが単純にトワルチェックがしたい、それが出来れば十分なんだけどな~と思うソフトはありませんでした。4年前まで出会うことがなかったのです。

私も、一時はリアルで綺麗な3Dに惹かれました。ただ、現実的にこれを今現在、導入して、3Dを本格的に勉強して自分にそこまでメリットがあるだろうか?そう考えるとなかなか他社さんのものには興味はあっても本当に欲しいものとは大きく違っていたのです。

ここ三回続けて東レACSさんの3Dソフトについて書いてきました。様々な私の知識不足からの誤解もあるかもしれません。あくまで私の目線から出たものであり、私の個人的な意見です。

パターンという仕事にかけている人から見れば、自身のパターン技術を磨かずに楽をしようとしているように見えますが、仮に同じ結果か、または、自身の力を上回る結果が短時間で得られるのであれば、このソフトを使おうと思った次第です。

このホームページのモデリストページにある、当社の哲学の一部を下記に記載しますが、この部分も東レACSさんの考え方とも一致していました。大昔に考えた言葉ですが、ここにも同じような考えかたをされているところがあったんだと驚いています。

大半が手仕事の毛皮製品作りは

作業そのものに時間をとられがちです

デジタル化・機械化することにより

正確さとスピードが得られ

私たちの感性を生かす

大切な時間が生まれました

一般的には効率は儲けに直結すると考えるところですが、私は、効率があがって生まれた、その大切な時間をさらに品質を上げるために他の作業時間に充てようと考え、今は廃棄しましたがパフ3560という大型機械や一般的な毛皮加工にはない機械設備、さらにはCAD・CGソフト、そして東レACSさんの3Dソフトも含め導入してきました。

いろんな考え方がありますが、この3Dソフトは当社の哲学を表現する意味でも必要なツールです。

どこかでトワルチェックに時間をとられ苦労しているひとがいるかもしれません。そんなひとに少しでも参考になればと思います。   長澤