お客様が満足さえすればいいのか?それとも自分が納得するまでやるのか?

今日のタイトルも難しいタイトルです。自分でタイトルを決めるので文句はいえませんが。

よく、仮縫いや本仮縫いで、お客様は納得しているのに、私も、当社デザイナー(家内)も、それで良しとしないことがあります。一般的には、お客様が良しとすれば、それで良しとするケースが多いかと思います。

私は、作る立場ですから、デザイナーとは真逆の立ち位置になる場合もあるのです。しかし、パターン的な問題になると解決方法は自分しか解らないこともあり、しかも本仮縫いの場合には仕上がった毛皮そのものに手を付けなければならないこともあり修正は勇気がいります。

修正をするにもカットして良い部分と駄目な部分が毛皮にあり、つなぎ目の毛丈や色が変わることによって大きく仕上がりに問題もでます。単純にパターンだけを修正し、それにコートを合わせれば良いのであれば簡単ですが、そんな簡単な条件はありません。

修正して上手くいかなかったことをつい想像します。当然怖さもありますから、時間をかけてずっと考えます。食べていてもお酒を飲んでいてもです。頭から離れないのでしょうがありません。博打ではありませんからやってみて経過を見るのではなく、私の現時点での知識を全て使って、これで良いかどうかを検証します。

お客様からは既に、OKが出ているのです。

しかし、お客様が知りえる範囲を超えたパターン上の技術的な問題は現実的には、お客様からOKが出たとは言えないのです。でも、お客様がOKを出したという、、そんな言い訳を使い何事もないようにスルーしてしまう現場が多いです。

私もよくそんな場面に直面しますが、やはりやるしかないのです。そのままスルーしたらずっと引きずります。

やって成功するかどうかという問題の解決方法は、徹底して修正方法をシミュレーションするしかないのです。それ以外はありません。

最近、3Ðシミュレーションで試着が見ることができます。私は東レのものを使っていますが、一番パタンナーが求めているものに近いと感じます。ただ、これでみても、うっかり不具合の現象が出ているのに見逃してしまうこともあります。

当然、仮縫いトワールや仕上がった毛皮と同じようには上がりませんが、逆に良くわかるところもあります。そして不具合が出ているにも関わらず私がその兆候を見逃してしまうこともあります。

話戻しますが、洋服の難しさは悪いパターンでも着れてしまうことです。そういう意味ではパターンは難しいと感じます。そこに毛皮という素材の難しさも加わり、さらに高度な考え方を要求されるのです。

今後、いろんなデジタルなツールが出てきますが、最終的には使う私の能力次第だということになります。

問題や不具合に気付いたときに、どうするかは自分に修正する自信があるかどうかであり、気付く力、イコール、修正が出来るということなのです。問題に気付くことにも自身の能力がいるのです。

なんかおかしい、、から始まって、最終的には原因をつきとめ、そして修正方法を考えるところまでいって、さらに再度やり直しのないように正確なテクニックで仕上げるということになります。

タイトルに戻りますが、自分が納得するまでやるということの難しさの根底には、自分への信頼感、自分が出来るという自信、それしか頼れないのです。私がその力があると言ってはいません。ただ、そうなりたいと常に考えてはいます。

長澤