コメントに、しびれました

コメントに、しびれました。

前々回、インスタグラムでとても嬉しいコメントやDMを記事にしましたが、つい先日も、泣けるようなコメントをいただきました。

https://www.instagram.com/chrisrwer/という英国のマスターからいただいたコメントです。
画像は、レットアウトという皮を斜めに細くカットしてずらしてコートの長さを出すという作業です。https://www.instagram.com/p/COl_8xSJfdq/

頂いたコメントは

“Stranding” is the infinite art of “letting out” fur skins. Here you can see it has been done by a furrier with the highest skills. This the finest piece of stranding I have seen in many years. An absolutely amazing piece of work.

です。Google翻訳では、

「座礁」は、毛皮の皮を「出す」無限の芸術です。ここでは、最高のスキルを持つ毛皮業者によって行われたことがわかります。これは私が長年見てきた最高の座礁です。絶対に素晴らしい作品です。

と翻訳されました。

Strandingの意味は座礁と出ますが、しかし、この場合は、その後の 毛皮の皮を出す letting out” fur skins とありますので、レットアウトした後の仕上がりのことを言っているのか、前後の文脈ではそうとれます。レットアウトして作ったコートのことを意味しているようにも思えます。座礁とどうつながるかは不明ですが。

彼は英国のマスターで、写真を見る限りでは私よりも年齢が上だと思われます。
英国では、国内で中古の毛皮さえ販売禁止になっているような状態らしいのです。正確ではないかもしれません。
彼の投稿のハッシュタグの最後に良く見かける#noUkfurbanとありますが、日本国内以上に毛皮に対する風当たりの強さがこのハッシュタグが常につく理由なのでしょう。

毛皮禁止について深くは言いませんが、日本にも魚を生き絞めして、鮮度を保ちながら料理にしたり、生きたまま食べる、踊り食いとかいう食文化もありますが、それらも大切な日本の文化であたりまえのこととして認められています。毛皮も様々な局面から見ることができますが、大切な文化のひとつです。毛皮を着るひとには自信を持って着てもらいたいと、そう願います。

そんな英国のファーマスターからみて、毛皮の歴史がとても浅い日本のマスターが作ったものが、どう映ったかはわかりませんが、これまで私のなかでくすぶっていた僅かな技術的な迷いを払拭してくれるような、そんなコメントでした。マスター、ありがとう、感謝します。

インスタグラムでの、たくさんの海外からのコメントをみても、毛皮を理解する力と良いものを素直に評価する姿勢は、日本国内の姿勢とは真逆のように感じます。真似はするけど賞賛はしない。そんな風に感じることが多いような気がします。インスタグラムのフォロワーに中国や韓国からのアカウントもいくつかありますが、ここは日本と同じようです。中国のフォロワーに一人だけWhatsAppでつながってるフォロワーがいますが、まともにやりとりをしているのは彼くらいです。

ひとつだけ最後に書きますが、このコートは私の中では最高でないのです。最高のレベルを綺麗な画像で見せたら、どんな反応があるのか楽しみでもありますが、私のアップする画像のレベルが高いのがあたりまえになってしまっているのは自分で自分の首を絞めているようで、最近は毎回、多少プレッシャーを感じたりしています。

今日のブログは短いですが、最後に一言書きます。以前から、私は国内の技術者や毛皮業者にたいして、厳しいことを書いていますが、ものづくり日本ということを誇りに思うならば、もう少し頑張って欲しいとも感じます。一般のひとが毛皮に対して知識がないことを良いことに驚くほど質の低い商品やサービスが提供されていることには、いつもとても残念に感じています。     長澤祐一