デイビークロケットハット(Davy Crockett hat)

Davy Crockett hat
今日はアトリエでもめったに作らない帽子の画像をお見せします。呼び名はデイビークロケットハットと呼ぶようです。以前、お客様のご依頼で作りました。

素材はアメリカン・ラクーンです。アライグマ科に属するアライグマということらしいです。たぬきとは違うということですね。それ以上の詳細は分かりません。

毛質はたぬきよりもボリュームがあって毛もたぬきよりは柔らかいですね。Googleで検索すればクロケットハットはたくさん出てきます。

この帽子類も、海外、特にヨーロッパで作られてくるものは、毛皮の接ぎ目も綺麗に作られているものが多いですが、国内品、中国品は、素材が毛皮だというだけで、適当に作られているものが多いように見受けられます。帽子屋さんが、たまたま毛皮を使って作った、、、というような作りがほとんどです。

以前、数点、わたしのところでも帽子専門のところへ委託加工しましたが、やはり、毛皮の扱いはダメでした。

写真では見えませんが尻尾は取り外しにしたような記憶です。もう何年も前のものなので詳細は記憶していないのですが。

Googleで画像検索するとよくわかりますが、帽子のサイドとトップクラウンの接ぎ目が、ほとんどのものは、はっきり毛の色も長さの違いもわかります。もちろん、ここに接ぎ目があるのでしょうがないだろうという発想でもの作りをしているからです。

一般的な発想ではそうなのですが、ヨーロッパで作られたミンクの帽子等はしっかりと作られているものが多いのです。やはり、毛皮の歴史が日本や中国とは違います。繊細に仕上げられているもののほうが多いと思います。

接ぎ目の毛の長さを合わせる難しさ

写真を見てもらうとわかりますがサイドクラウンは被ってみて右から左に流れ、一周して毛の向きが流れています。トップは前から後ろに向かって一直線に流れています。その二つの違った毛流れを綺麗になじむように見せてつくるのが、この作りの難しいところです。多分、こんなところまで気を使って作られることはないでしょうね。

サイドとトップの接ぎ合わさる部分の毛の長さ、ボリューム感、色を全て合わせると、こんな仕上がりになります。

長さ、ボリューム感、色 全てを合わせるというのは、言葉でいうのは簡単なのですが、実際には、頭、胴体部分、お尻部分、、、、、というように動物の色、毛、ボリューム感、、すべてが、場所によって変化していますので、これを縦の流れのトップと一周巻いていくサイドの毛を合わせるのはトップに対して並毛になったり逆毛になったりしますので気が狂うほど難しいのです。

パッと見は気がつきませんが、何気なくきれいに見える部分に意外に技術が使われている、そんな今日のデイビークロケットハットでした。

長澤祐一

にほんブログ村 ファッションブログ オーダーメードへ
ファッションブログランキング