今日は、この時期(一月)にある成人式に使うフォックスストールの黄ばみ取りについて書いてみます。
ご依頼は、多分ですが、お母さまが、お嬢様のためにご自分が以前購入したフォックスストールが黄ばんでしまっていて、それをなんとか綺麗な状態にして、お嬢様が使えるようにしたいというのが、ご依頼の目的だったと思います。
最初にフォックスをみたときに、確かに黄ばんでいるのですが、もともとのフォックスがミューテーション系の例えばアークティックマーブルフロスト、、、というような種類に見えたのです。
この種は、元々少し黄ばみがあるような品種で、現品のストール自体確かに黄ばんでいるのですが、その黄ばみが、元々の品種からある黄ばみなのか、時間の経過によって黄ばんだものなのかが、とても分かりにくいものでした。
しかも、ミンクの黄ばみ取りと違って、毛の長さがあり毛の奥まである黄ばみをどこまで青くすれば良いのかが迷うところでした。
そしてご依頼の主旨は黄ばみをとって白くしたいというご希望なのです。
ただ、ここでひとつ誤解が出やすいのは、白くするというご希望なのですが、白という染料はないのです。これは物理的に、どんな染料でもそうです。
では、どうするかというと白っぽく見せるということになります。そのために青みをつけて以前の黄ばみより少しだけ白っぽくみせるということしか出来ません。結局、目の錯覚を利用するのですが、白という染料がないためその方法しかないんです。
例えば、クレヨンなどでは、白がありますね。しかし、クレヨンは染料ではなく、顔料インクのようなもので、白い粒粒を固めたもので、染料とは性質が違います。
毛皮の毛に色を付けるには染料でなければならず、しかも酸性にする必要があります。
そのために白という染料がないので、極めて白っぽく見えるようにするしかないのです。
今回、初めてトライしてみたのですが、なかなか難しく、元の黄ばんだフォックスがなくなり比較するものがなくなると、本当に黄ばみ取りをやったかどうかが解りにくくなるのです。
しかし、やった結果は左右比較してもらうと解りますが、青みをつけて黄ばみを消しただけで白っぽくみえるのです。目の錯覚を利用してるのですが、ものすごく精度のよい人間の目でも、目の錯覚によってこれほど黄ばみが白っぽくみえるというのも驚きでした。
もちろん簡単ではありません。何度も少しずつ青味をつけて白に見えるように、錯覚を利用して黄ばみを取るのです。
しかし、こんな苦労もご依頼者のお母さまや身に着けるお嬢様が喜んでいただけると、今後の励みとなるのです。ありがとうございました。長澤
