ロシブロの特徴

先日、ロシアン・ブロードテールのメンズコートの仮縫いの事を書きましたが、今回はロシブロ(ロシアン・ブロードテールの略称)の特徴を写真で説明しようと思います。

ロシブロの最大の特徴は、見る方向によって見え方(表情)が変わるという部分でしょう。そして、それは柄が大きければ大きいほど見る角度によって、まったく別のものに変わります。

色も、もともと天然のものを黒に染めたり、グレーの場合は皮の地肌を青く染めて白い地肌を隠すように仕上げています。そのためかどうかわかりませんが、黒もグレーも見る角度によって腑が変わるだけじゃなく色も微妙に変化します。

黒はは常に赤味や青味の染料の量によって微妙に光の反射の加減で変化します。そしてグレーも見る角度によっては青味が反映され紫っぽくに見えたりします。私はその魅力にはまってしまいました。そして買うときには、見る角度によって変わるその魅力(魔力)を求めて原皮を探します。

ロシブロの持ち味は毛が生えきらない段階での腑の面白さですが、一枚一枚全て個性があり、それを自然なかたちにつなげあわせることが私たち技術者の最大の仕事です。

自然な柄は、気持ちを込めて合わせようとすれば、不思議なほど一体感をもち大きな魅力を見る人に放ちます。思わず、わ~~っと言葉がでるような作品。それは、デザイン、毛皮の仕上がり、着心地、変身感などすべてを満たすこと・・・ それは常に私が目指す着地点です。

上の写真は一枚の原皮を左右別々の角度から撮ったものです。写真では魅力の全てをお伝えすることは出来ませんが、少しでもその美しさが感じてもらえれば嬉しいです。

長澤

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