毛皮リフォームのシステム化の難しさ


弊社も点数が多くはありませんが毛皮リフォームを承っております。

以前も書きましたが、アトリエの場合はほとんどがオーダーと同じ仕様で作っていきます。当然そうすると、オーダー、リフォームと合わせていくとデザインやパターンはどんどん増えることになります。

そうすると、当然、効率を考えたくなる訳です。デザイン、サイズ、体型別に・・というようにいくつかのカテゴリーに分けて整理して、いくつかの定番をつくり、それに沿って、お勧めしていくという、いわゆるシステム化ということになるのでしょうか。

そうすると、また別の問題にぶつかるのです。もともと当社は限られた点数を限られたお客様に、最高のお作りで提供するというスタンスですので、新規のお客様もいらっしゃいますが、多くのお客様は、顔の見えるお客様なのです。そうすると、どんなに良いものでも、同じデザイン、同じパターンをたくさんのお客様にお勧めは難しいのです。(どうしても、気がひけてしまいます)

先日も、オーダーでサンプルと違った色にして誰も着ていない色にしたい・・・というお客様もいらっしゃいました。ご自分のこだわりを大切にされているお客様は特にこのようなリクエストが多々あります。そんなこともあり、オーダーのみならずリフォームというくくりででも、なかなかシステム化というのが難しいことは否めません。

もちろん、システム化することで、お客様にとっては仕上がりをイメージしやすく、スタンダードなものを欲しがっていらっしゃる場合にはとっても親切な対応が可能になります。そして効率もあがり、弊社アトリエとしては良い効率で利益を期待することも可能です。

しかし、他社、または大手メーカーさんのように、大量に外注加工を使って商品をつくることのない、私どものようなアトリエでは、シェアするお客様のなかに何人も同じデザインの商品をもつお客様が増えてしまうということ自体がタブーなのです。もちろん売れ筋やヒット商品もありますが、それでも、そう多くは作れません。

とは言うものの、近頃では作る度に撮りためたトワルの写真やパターンなどもあり、少しずつこれまでのデータを分析してイメージを正確に適格に伝えるということを目的とした仕組みづくりを進めなければとも思い始めてきたところです。

写真はリバーシブルやライナーに使う生地の色を替えて見せることや、ウエストのベルト切り替えをなくしてみせたりした画像です。島精機のSDS-ONEのデザインソフトを使ってするのですが、これを販売の現場で使うのは、設備の問題やスピードというところでまだ問題があります。

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長澤祐一

 

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