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Category Archives: 毛皮のリフォーム

ここ最近、リフォームに関連する以前の投稿は削除し書き換えをしようとおもいます。

昨年四月に、某百貨店毛皮サロンを辞め、川越の自社アトリエに新たに商品の展示や接客スペースを作り、今年4月に新たに立ち上げたオンラインショップも含めて新しいパショーネをスタートしました。そんなこともあり古い記事を読み返し現状にそぐわないものは削除し書き直そうと思います。

上にも書きましたが当社は昨年4月まで某百貨店の毛皮サロンで20年以上、オーダーの担当をしておりました。オーダーといってもオーダーサンプルの商品を多数展開しており現物販売も含めてオーダーでの商品提供もしておりました。当然、その百貨店は毛皮では日本一といわれた毛皮サロンでしたのでリフォーム専門の業者さんもいて、私達も私達のお客様につきましてはオーダーもリフォームもやるというようは仕事の内容でした。

当社がリフォーム専門のメーカーではないこともあり、このブログでも大きくリフォームをPRすることはありませんでしたが、それでも、このくどいというか細かいブログ記事を見て頂き問い合わせを頂いたお客様だけには百貨店という窓口を通さずに直接、リフォームやオーダーをお受けしてまいりました。そんなこともありリフォーム専門の他社さんのように決してたくさんのご依頼を受けてきたわけではありません。

百貨店とのお付き合いがあるころは毎年の新作の作成と受注品をこなすという、今では考えられない忙しさでしたから、ブログからご依頼を頂いても何年もお待たせしたりと、大変申し訳ない事態になったこともありブログもほとんど更新せずにおりました。

昨年より1年かけて新たな業態を模索し、ようやく始まったリニューアルしたアトリエと新規に立ち上げたオンラインショップをメインにした商品の販売、そして、このブログを読んでいただきオーダーまたはリフォームをご検討中のお客様のためにも、もう少し解りやすい仕組みを今後は作ってまいります。内容につきましては、よくある汚い見本画像の羅列(ごめんなさい)や、ただ安ければよいというような価格ありきの内容ではありません。内容につきましては今後検討しアップしてまいります。今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。       長澤祐一

 

今日は毛皮のリフォーム時に、いかにクリーニングや皮の脂を抜くことが必要かを書いてみます。

とにかくしつこく書きますが、一般的には誰も気にしていないどころか、そこそこ脂は必要だと言い張る専門家が多いのが現状です。いちいちそんなたくさんの専門家のみなさんに喧嘩を売るような気はさらさらありません。

しかし、このたくさんの専門家の多くのひとが、実際にどれくらい毛皮の作りを真剣にされたかは私にはわかりません。通り一遍の知識というのは、業界にいれば大体、知識として持つことになります。

しかし、皮に含まれる脂の量が毛皮の作りや仕上がりに大きな影響を与えるということを知るひとはほとんどいないでしょう。ゼロではないでしょうが、大半のひとは考えていないと思います。

特に国内の業界人の中ではです。これは少し皮肉的な言い方ですが。その点、中国はやはり世界の工場と言われるだけあって、ピンキリありますが、上のレベルでは、ちゃんと脱脂をして、柔らかさを表現しています。

日本国内ではCO2の問題もあり規制がかかって使えない薬品等も、もしかしたら中国ではまだ、使えるのかもしれませんが、後先考えずに徹底して脱脂された商品もあり、素人目には”くたくた”になった柔らかい皮が毛皮の良さを表現しています。

一般的な国内の技術では、あそこまでできませんし、作る現場の目が、あの柔らかさを体感していない、さらに、売り場での、その柔らかさの評価を知らないという事実がある以上、国内の技術者が上のレベルに行くことは難しいのです。

ただし、上記で、後先考えずに、、、 と書きましたが、パーフェクトの脱脂は、やはり、危険が伴います。中国製品の一部にある、あの強力な脱脂は、ドライクリーニングをして脱脂をするわけですが、おそらく裏付け前にガーメントの形になった状態でするわけですから、すべての補強テープの粘着糊は溶けてしまいます。

形も確実に縮みますし、最後にドラムに入れながら乾かすので、あれだけ柔らかくなりますが、間違って皮に水が染み込んだりしたら、確実に思いっきり硬化します。

さらに、切れやすくもなります。毛皮業界の過去にも、完全な脱脂をして柔らかさを出した過去があったことを覚えているひとも、ご年配の方にいらっしゃるかもしれませんが、当時のひとのほうが優秀な方がいらっしゃったようで、そのパーフェクトな脱脂を当時は危険だと判断し、やめているのです。

例えば、一般的な毛皮クリーニングでは、ドライはせずと、良く記載やyoutube等の動画で見ることができますが、それも、過去の経験からの知識で脱脂はよくないという意識が今現在もあるのかもしれません。

ここから私の意見を書きますが、パーフェクトな脱脂はやはり絶対に良いとは言えません。ただ、一般的に考えられている原皮屋さんや鞣し業者さんの基準はやはり、商品仕上がり時にどうあるべきかというところからみると少し違いがあると私は思います。

よく、原皮屋さんが仕上がってきた時は軽い感じで良いけど、時間が経つと、ズシッと重くなると言いますが、それは、原皮が湿気を吸収してさらに、湿気が入ることで、そのままラックにかかったままだと硬化も進みますから結局、湿気と硬化で、鞣し上がり時よりも確実に重く感じるようになるのです。

イタリア鞣しが、そうならないと聞くこともありますが、私が仕入れたイタリア鞣しのミンクもやはり、国内の鞣しと、ほぼ同じ状態になりました。

私は、鞣しについては詳しくはありませんが、一度、脂を入れるようです。そして仕上げのときにドライクリーニングをして脂を抜くわけですが、ここがやはり、手でキッカー(間違っていたらすみません)という道具を使って脂を入れ、それをひとの感覚(時間)でまたドライクリーニングをするという、極めて計測しにくい作業があります。

結局、そのロットごとの残留脂の量に差があったり、手で入れる脂を加える作業にも差があったりと、とても難しい作業のなかで仕上げられるわけで、さらには原皮の個体差などもあるかもしれないことを考えると、とても難しい作業に感じます。

結果、やはり、作るところで最終的な脂の量をコントロールするしかなく、私のところでは、原皮の段階でドライをする場合や、仕掛り途中でもっと抜きたいと思えばドライする、、、というような感じで都度、皮を触って感触で決定するしかありません。ひとつ、中国のドライと違いがあるとすれば、ジャブジャブドライ液に漬け込むようなドライはしていないということです。当初何度も、このジャブジャブ液に漬け込む洗い方を試しましたが、専門の何千万円もする機械がないので、回収しなくても良いレベルの有機溶剤を使いますが、やはり、気化させるのにも時間もかかり、この方法は使えないなと判断しました。以前、カビが蔓延してしまったコートは、この漬け込む方法で二度洗ってカビを落としましたが、やはり手間がかかりすぎて、現実的ではありませんでした。

私が今やっている方法は具体的には書きませんが、皮の表面からドライ液が染み込み、皮の表面から脂を抜いていくという方法を取っていますので、皮の奥に少しだけ脂分が残るという状態になり、こうすることで万が一水に濡れても、思いっきり硬化することがなく、軽さもでて、さらに、空気中からの水分も吸収しにくくなり、重さや劣化防止にも効果があるという、理想的な状態になるように処理しています。

私のところでは、鞣し上がった皮を再度、皮を軽く薄くするために機械や手で鋤いていますが、脂が抜けている皮のほうが鋤くのが楽なのです。脂がたくさん入った皮はベタベタして繊維がなかなか切れず、タンパク質が剥がれてくれません。ですから、皮が厚い場合にはドライをかけて、皮の表面を一度削り安い状態で削って、さらにドライをかけて、また削るという場合もあります。それくらい、皮の状態をいい状態に保つということに注意を払います。

リフォームのときにも当然、ドライをして古くなって劣化が進行しそうな状態を一度そこで止めてしまわないとリフォームする意味などありませんから必ずやります。やらなくてもいい状態のコートなど、年に1点あるかないかです。たまに、奇跡的に脂の入り具合が抜群によいものがありますが、それは本当に希です。

脂の分量が適正になれば、コートにしたときの皮の繊維の状態もよくなり、皮が伸びたら伸びっぱなしというのではなく伸びても、また元に戻る柔らかさというのがでて、型崩れせず、柔らかさも出るという状態になり、毛皮本来の良さがでます。

一般のひとは毛に魅力があるのだと思いがちですが、皮が柔らかいことで、表の毛が本来の輝きを発揮できるのです。皮が硬い状態のミンクなんて、まったく魅力がないのです。

それくらいに皮が大事だということを覚えておいてください。そして、それをコントロールする大きな要素として脂の量を適切に調節するということが大事なこのなのです。

今日も、結局難しい話になりましたが、作る側にとっても、買う側にとっても、とても大事な話だということです。デザインがどんなに良くても、毛皮の本来の魅力が表現されていない商品をいいと錯覚してしまうのは、売る側の勉強不足や、正確で正しい情報を持っていないということに他なりません。

毛皮の魅力が分からないからデザインだけで選ぶしかなくなるとも言えます。一人でも、毛皮の魅力を理解できるひとが増えること期待してこのブログを書いています。

上の写真は、レイヤード(細くカットした毛皮を生地に間隔を開けて縫い付ける技術の総称)のために5mmにカットされたミンクをバラバラにならないように、ボール紙に挟んでおいたら、皮の裏面が密着していたボール紙に今日のテーマの脂が染み移ってしまったものです。これくらい、毛皮の皮の脂は多いという証です。

リフォームをするならば、この無駄な脂を必ず落としてもらってリメイクしてもらうのが本来のリフォームの姿でしょう。手で拭き取るクリーニングや毛皮専門のクリーニングなど意味がありませんから。

長澤祐一

 

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PS.ついでに、ミンクレイヤードのボレロの写真も載せておきます。

今日は前回の記事にあった、有機溶剤で洗ったチンチラコートをロングマフラーに仕上げたビデオです。

二点、リメイクを受けて、一点は少し黄ばみがあり、コートにするのはやめました。内容はビデオを見てもらうしかありませんが、柔らかさと毛の風合いです。

大事なことはビデオで、すべて言いたくないことまで言ってますので、書く事はほとんどないのです。

チンチラは場合によっては、新しいバンドルでも、劣化のあるものが、たまに混じります。そんなこともあり、リフォーム品のほとんどが劣化してると言って過言ではないのです。 Read More »

毛皮のリフォーム前のクリーニング「オガドラムの効果」について書いてみました。毛皮のリフォーム前に、弊社アトリエでは、徹底したクリーニングをしていますが、そのなかで一番大事な脂を抜く作業があります。

脂を抜くことの意味については、何度も書いているので他の記事を読んでもらえればよいのですが、今日はその脂を抜く作業のなかで、ひとつ大きな問題があることを書いてみます。

溶剤を使って皮の脂分を抜く工程は皮、毛、ともに溶剤に漬け込みます。そこで、溶剤に脂を溶け出させるのですが、あまり長時間つけすぎると脂が落ちすぎてしまい皮にとっては危険な状態になります。

しかし、中途半場に溶剤からだしてしまうと、液に溶けだした脂が毛全体についてしまいます。これは専門の業者さんにやっていただいたとしても、起こり得ることです。溶剤から取り出すタイミングや溶剤の量などに、微妙な感覚が必要だということが解ります。 Read More »


弊社も点数が多くはありませんが毛皮リフォームを承っております。

以前も書きましたが、アトリエの場合はほとんどがオーダーと同じ仕様で作っていきます。当然そうすると、オーダー、リフォームと合わせていくとデザインやパターンはどんどん増えることになります。

そうすると、当然、効率を考えたくなる訳です。デザイン、サイズ、体型別に・・というようにいくつかのカテゴリーに分けて整理して、いくつかの定番をつくり、それに沿って、お勧めしていくという、いわゆるシステム化ということになるのでしょうか。 Read More »

今日はリフォーム品を承るにあたっての縫製以外での注意点を書いてみます。リフォーム品には多かれ少なかれ、毛皮にはほこりや汚れ以外に、香水、カビ、場合によってはダニなども付着している場合が多くみられます。コートから裏地や芯を外しているときにも、よく私たちの手や身体にかゆみがでることもあり、個々のお預かり品ごとに、かなり慎重な取り扱いをしなければなりません。コートを預かっている期間または加工期間は、常に他のお客様のお預かり品と触れることのないように厳重にカバーを幾重にもかぶせます。

その理由は、預かったコートには香水やカビ、さらには樟脳(きものなどを虫やカビからまもる薬)などの匂いが混ざり合って、とてもきつい匂いになっている場合が多く、隣同士にハンガー掛けしていると確実に匂い、その他のものも移ります。カビ等が一旦移ったら、まず取れないと思って良いでしょう。ですから要注意品は特に厳重な保管が必要になります。

アトリエでは全体をほどいて毛皮と裏地が外された後に、必ずドラムという毛皮の毛を落としたり柔らかくしたりする機械にオガと脱脂溶剤、さらに消臭剤を入れて余分な脂や汚れ、ほこり、匂い、さらに出来る限りのカビやダニ等の駆除を行います。

この記事を読まれて、同じことをされる方がいるかも知れませんので、念のためお伝えいたしますが、消臭剤は液体で水(H2O)を含んでいて、劣化しかけた毛皮の皮のタンパク質をその水分によってさらに劣化させることもありますので、ご注意ください。

基本的にはクリーニング用のオガには消臭効果もありますので皮の劣化状態を見ながら、消臭剤を追加するかどうかは決めるべきでしょう。

このようにして、一着ごとに一般的なクリーニング屋さんでやるパウダークリーニングと言われるもの以上のクリーニングをしていきます。そうしなければただ形が変わっただけのリフォームになってしまいます。もちろん、オガも通常の毛とりのときは再利用しますが、クリーニングの場合は都度、新しいオガでクリーニングします。余談ですが、パウダークリーニングしたコートのほとんどが裏地とコートの裾の隙間や袖口などにオガが入った状態になっています。おそらくオガドラムに入れて最終仕上げの段階でオガを落とし、さらにポケット等の中のオガを掃除機等で吸い取るのでしょうが、コートの中に入り込んでしまったオガは取りきれていません。時には裾や袖口に一杯入っているときがあります。

そういう意味ではリフォームの時以外に、徹底したクリーニングと皮のメンテナンスをする機会はないのです。よく裏地交換をする場合もありますが、あれはあくまで裏地のみを交換するだけで、芯を外して軽いものに付け替えるということはしませんので、結果としては完璧なクリーニングができる条件にはなりません。

そして、このクリーニング処理はリフォームが決定してお預かりした段階ですぐにやります。そうしないと保管期間に他のコート同士が触れ合い、匂いやカビ、ダニ等が他のお客様のコートに移るのを防ぐことができません。

あと、やれることがあるとすると、よく布団乾燥機のカバーのようなものがありますが、あの中で高温状態でダニ等を殺すことです。

しかし、やれるだけのことをやっても、100%取れるとは限りません。匂いなどは毛の表面はとれますが、毛の奥や皮のなかに染み付いたものは完全に取りきることができません。オガドラムをかけた直後は良いのですが、時間の経過とともに空気中の水分などと混ざり合い、匂いが出てきます。それでもやらないよりは格段に違いがあります。元の匂いのきつさはほぼ取れると私は考えています。

このように、リフォームをするには、小物クラスのリメイクならば問題がないでしょうが、着用するものに再度作り替えるならば、毛や皮の状態を出来るだけ綺麗な状態に戻す必要があるでしょう。

そして、毛以上に注意しなければならないのは皮に入っている脂の状態です。少なくて、このまま放置すれば、間違いなくパリパリと紙のように劣化していく皮か、もしくは脂が入り過ぎていて、そのため空気中の湿気を吸収してしまい、皮のタンパク質を壊し劣化が進むのかをよくチェックして脂を抜くのか足すのかを都度考えなければなりません。

毛についてもただオガドラムをかけただけでは本来の美しさにはなりません。毛の癖や縮れをとったり、スチームで毛のボリュームを出したり、汚れた髪の毛が生え際で束になってしまうような状態が毛皮にも起こりますので回転アイロンで毛の根元からサラサラにしたり、つや出しの薬品を場合によっては使うなど、やることはたくさんあります。

一般的にはお客様との打ち合わせではデザインや作り方に話が集中しがちですが、リフォーム品としてお預かりし、仕上がり品になるまでには、目には見えませんが、メーカーとしてやらなければならないことがたくさんあります。そして、この難しいリフォーム品の保管は社内から一歩も外に出さないことが条件になります。その理由は、外注加工にでれば、社内アトリエと同じ保管条件を求めるのは難しいからです。

写真は皮の脂が黄色く変色してきたものを半分カットして、脱脂をしたものをもう一度縫い合わせたコートです。写真は触ってみることが出来ないのでわかりませんが、皮の柔らかさも違います。脱脂していない黄色い皮は表面に湿気が残り、硬さもあります。ただし、全てのコートで脱脂すれば良いということではありません。中にはドライ(脱脂)をしたあとはすごく柔らかいのに、加工段階で硬さや劣化が出てしまうことがありますので皮をよくチェックする必要があります。

長澤

 

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