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もう、どのくらい更新をしていないのか忘れてしまうほど長期に渡ってお休みをさせていただいておりました。にも関わらず、毎日アクセス数は変わらずに続いており、ダイレクトで入って頂いている読者の方や、Google等から入っていらっしゃる読者の方、本当にありがとうございます。

四月で、ようやく三年以上お待たせしてきたお客様のものが終わり、あとは、デザインが決まらずに、仕掛ることができないもの等、まだまだ仕掛らなければならないものはたくさんありますが、昨年決定したもの以外や、デザイン未決定のもの以外は一応一区切りという状態になりました。

最後に仕上げたものは薄いピンクのアーミンのコートでした。本当に、長期に渡りお待ちいただきましたが、仕上がりには本当に喜んでいただいて、長い間、仕掛れずに苦しんできたことも、ようやく報われたような気がいたします。

そして、長期間お待ち頂けたことを誇りにも思います。写真は正面からだとデザインが全部分ってしまいますので横からのものをアップします。

アーミンコート

強いカビと匂いのついたコート

最終の前に納めたお客様のコートが、おおよそ二年半お待ちいただいたのですが、この依頼が強いカビと匂いのついたコートでした。最初に有機溶剤にジャブジャブつけて洗い、半乾きの状態でおがドラムに入れて乾かし、それを二回繰り返し、なかなか仕掛れずに一年置いて、その後のカビの発生がないか、経過を見ながら二年が経ち、その後は、あと少しという匂いをオガと溶剤で再度、取り除きました。

強い蒸気をあてると毛の奥から、ほんの少し匂いが出ますが、通常の状態であれば、95%くらいは匂いは取れています。カビも発生しません。ようやくこれで仕掛れると思い二月に仕上げました。

ご主人のお母様の形見らしく、なんとかして差し上げようと思いからですが、それにしても時間がかかり過ぎてしまいました。本当に申し訳ありません。仕上がりはもちろん完璧で、心から喜んでいただいたようで安心いたしました。

アトリエの配置替え

三年間、お待ちいただいたアーミンのコートは、難しいのは最初からわかっていましたから、ずっと前から不満を感じていたアトリエの配置替えをしてから始めようと、機械設備の大移動を始めたら、これが大変で一週間もかかりました。以前一階アトリエの機械設備をご紹介いたしましたが、今日は一階のアトリエの半分くらいをご紹介いたします。

写真Aは、左からボディの後ろにある、パターンのカッティングプロッター、その隣がデジタイザー、島精機SDS-ONE、HPworkstationZ-1 生地やレザーの一時ストック棚、カップシーマーミシンの順に配置してあります。

Passione アトリエ

写真Bは、吸引・吹上仕様のアイロン仕上げ台naomotoFBZ-1200SEがあり、その奥にカップシーマーミシン、白い生地がかかっているのがJUKI上下作動送りミシン、手前が本蒸気のボイラー、吸引仕様のアイロン仕上げ台naomotoFBZ-1200、そして、もう一台、吸引・吹上仕様のアイロン仕上げ台naomotoFBZ-1200SEがあって、一番右にJUKI上下作動送りミシンがもう一台(台の端しか写ってません)です。

Passione アトリエ2

カップシーマーミシン

カップシーマーは以前はリモルディ(イタリア製)をメインで使っていましたが、今は二台ともチャンピオンという細井ミシンの国産のカップシーマーです。これまでは、私自身の調整の未熟さから、セッティングがうまくできずにいて使いこなすことができませんでした。またいつかカップシーマーミシンのセッティングについて書きますが、この歳になってようやく、このミシンの本来の力を引き出すことができるようになったのです。

やはり日本の技術は素晴らしいです。特に輸出用に小型化されたブルーのタイプは、ルーパーの動きが独特で縫い目がとても綺麗なのです。もう30年も前の話ですが、細井ミシンさんに中村さんという優秀な技術者がいらっしゃって、当時とてもお世話になりました。

カップシーマーミシン

その彼が手作りで定規を作ってくれたり、定規の高さを簡単に変えることができるパーツを作ってくれたりと、当時は本当にお世話になりました。その彼(といっても当時すでに今の自分くらいの年齢でした)が、自慢げにルーパーの軌跡を見ながら訳を教えてくれたのです。

しかし、その当時は未熟で理解出来ませんでした。そんなことが、、、、 と、きっと思っていたのでしょうね。今、そのルーパーの動きをみると、一般的なリモルディやストローベルなどのルーパーの動きと違い、独特の動きをしていて、とても理にかなっています。

よく、ミシンが一台一台癖があると言いますが、ほんとのところは癖がある、、、、ではなく、セッティングが微妙に一台一台違っているだけで、多少摩耗とかで差はありますが、ビシッと合わせるとほぼ同じ状態になります。

毛皮のミシンヘッドは他に5台くらいリモルディやボニスがありますが、実際に使っているのは、この二台です。少ないように感じますが、一階にレットアウト用のPFAFF3560がありますし、特に量産をする訳ではありませんから、二台もあれば充分なのです。ミシンがけは全体のなかでは、2割程度の時間じゃないでしょうか。

パショーネアトリエの特徴

脱線しました。話をアトリエのことに戻します。私のところは、細かい毛皮の作業はバキューム台でやります。理由は、常にスチームやアイロンが使え、バキュームを使えば毛皮がピタッと吸い付き重りを置かずに作業もできますから仕事のスピードが早いのです。

中央の大きな作業台でもいろいろな作業をしますが、以前はこの作業台が中央ではなくアトリエの端にあり、全てのバキューム台から距離が離れていたのです。

今は中央のメイン作業台、そしてサブテーブルと各、バキューム台の位置が近づき、連携がとても楽になりました。一般の毛皮のアトリエでバキューム台で作業をしているところはないですが、私のところでは、一台多分、40万くらいしますが、これがないと仕事になりません。

一般的な加工工場よりも、毛皮を徹底的に仕上げたりしますので、スチームを使うときに下から熱を逃がさないと皮が縮んだりしますから、絶対に必要なのです。逆になんで、バキューム仕上げ台がなくて仕事ができるのだろうとも思います。

一般の工場では、はっきりいって、まともに毛を仕上げません。以前も書きましたが、毛は女性の髪のの毛と同じです。縮毛させるか、伸ばすのか、目指す仕上がりによって仕上げ方が変わり、その手法もかわります。そのために、工業用のアイロンもいるし、ボイラーからでる130度くらいのスチームも必要なのです。

さらに、二台の仕上げ台には小さくてわかりませんが、エアーブラシがすぐに使えるようにセットされています。このエアーブラシは、毛皮の肩などの退色の直しや、生地の染み抜きができます。その気になればわずかに合わない毛皮の色も直せます。

この新しい状態になって道具配置も見直し、ようやく仕事がしやすいパーフェクトに近い状態になり、今はストレスなく仕事が出来ています。四月に最後に残ったもののなかで一番難しいアーミンを残しておいて、この設備配置で再スタートを始めました。

写真に写っていませんが、アトリエ二階の反対側には新作用のトワルや原皮、ボディ、大きな生地用の裁断台、そして毛皮の色を合わせるアソート台、パフのしつけミシン等があります。またいつか、写真を撮って、ご紹介いたします。

今までは、お待たせしていた、大切なお客様への納品を優先し、当ブログの更新しておりませんでしたが、またひと月に数回くらいのペースで更新ができればいいなと思います。 追記しますが、今日のブログは4月に書いてあったもので、なかなかアップ出来ずにおりました。次回からは、また、特定の目標、目的に向けたブロクを書いてまいります。

長澤祐一

 

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