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今日は毛皮の毛の癖をとりたい、、、という検索で当ブログ入っていらっしゃる方が以前いらっしゃったので、これについて書いてみます。毛皮の毛は髪の毛とほぼ同じ性質を持っていると思われ、高温の熱をかけて引っ張ればほぼ真っすぐに(ラム系は完璧にはなりません)なりますし、水分を与えれば縮みます。

違いがあるとすれば、毛皮の皮は温度を感じることがなく、人は熱い蒸気がかかれば熱いと感じ、皮膚からスチームを離すことです。よくあるのがアイロンの蒸気をかけて毛皮の皮をニカワのように硬くなって縮んでしまうことがあり、直して欲しいという依頼があります。専門業者のクリーニング屋さんでも、よくスチームをかけ過ぎてしまい縮ませてしまい、直して欲しいということもあります。

縮んだ皮は、蒸気のかけかたの度合いで元に戻るものと戻らないものがあり、戻らない場合はその部分を取り替えるか、範囲が大きければ部分全体を取り替えるしか方法はありません。

但し、軽く縮んだだけなら、加脂剤を少しずつ縮んだ部分にしみ込ませて、固まった繊維をほぐすように少しずつ揉みほぐして8割程度回復させることが出来ます。同業者でも大半は縮んだら駄目だと思っていらしゃる方達が多いようですが、実際には治るケースも2~3割はあります。もちろん素人の方が出来るということではありませんが、状態を見ながら少しずつ直せるケースもあります。

本題に入りましょう。今日は毛の癖をとるというテーマです。

毛の癖をとるのは私どもにあるローリング(回転)アイロンでとることも出来ます。しかし、以外にこのローリングアイロンで取れない癖も多いのです。理由はわかりませんがこの回転アイロンだけでは癖はとれません。この回転アイロンを使うとすれば癖をとった後の仕上げ処理に効果を発揮します。

基本的に一番、毛の癖をとりやすいのは蒸気です。但し、短毛の毛皮の場合は毛先のすぐそばに皮があり、スチームをかけるとその強いスチームが皮まで届き、上記したような状態になりがちです。私たちも、毛のボリュームを出したくて、頻繁にスチームは使いますが、ときどき軽く縮ませてしまうことがあり、繊細な毛皮を綺麗に仕上げるのに常に高いリスクを負いながら仕事をしています。

一般の方が、この癖をとる手段があるとすれば、一番リスクがないのが、蒸しタオルで毛の表面をなでるようにし、水分で毛の表面がピカピカするような感じにします。後は、この状態で時間をかけ自然乾燥をします。この方法が毛の表面についた癖をとるのには一番の方法でしょう。

但し、毛の奥まで強い癖がついている場合、例えば、毛皮を箱に入れたままずっと放置してしまった場合の癖は、簡単にはとれません。この場合は一般的には業者に任せるしかありません。業者でもできないところもあるかもしれませんが、業者であれば万が一の場合は、ある程度の保証をしてくれることもあり、お金がかかるかもしれませんが自分でやらないほうが良いでしょう。

しかし、今日、どうしてもこの毛皮のコート着ていきたいという場合もあるでしょう。そんな時に大きなリスクを冒すことなく毛の癖をとる方法があるとすれば、この方法が私が一般の方にお勧めする方法です。アイロンのスチームか、何がしかのスチームを使います。基本的には毛の癖をとるのはスチームしかないからです。

その場合、私がお勧めする方法は、私たちもよく使いますが直接アイロンの表面を毛にあてて毛を痛ませることをしたくない時に使うのですが、毛を平らな状態にして、その毛の上にタオルを敷きます。強い蒸気が出る場合には厚めのタオルを使った方がよいかもしれません。この上からスチームをかけます。必ず守らなければいけないことは、一カ所にスチームをあて続けないことです。これをやってしまうと、どんなにタオルを敷いても皮が縮むリスクは高くなります。

タオルがあることで、多少強めの蒸気でもタオルをクッションにして一度勢いを殺すことができ、分散された蒸気が毛の表面に達します。ひとつ、注意は、よく昔の家庭用アイロンでパワーショットみたいに、強い蒸気が勢い良くでるツールがありますが、このように一箇所に強い蒸気をかけることは絶対に避けてください。蒸気が皮まで届き縮みます。

結論を言えば、絶対にアイロンの動きを止めて同じ場所に蒸気をかけ続けることをしないことです。そうすることで、皮まで蒸気が届かないようにすれば、少しずつ繰り返すことで癖は取れていきます。濡らして乾かすのが待てない場合は、この方法が一般家庭ではベストでしょう。

ついでに私たちがやる方法はお伝えいたします。私たちは大きなアパレル縫製工場で使う、強いバキューム効果と逆に空気を吹き出してくれる、バキューム台を使い、スチームをかけながら下からバキュームすることで皮の温度が熱くならないようにする方法と、逆に空気を吹き出し皮から熱いスチームが逃げていくようにしながら蒸気をかけ毛の癖をとったり、ボリュームを出したりする二種類の方法で仕上げます。おそらく、一般の毛皮工場では導入されていない機材です。毛を綺麗に仕上げるということに拘ると、あらゆる可能性のあるものを使うというのが当社のコンセプトでもあり、これもその拘りのなかのひとつです。

写真はナオモトさんのアイロン台です。インバータコントロール付きで、仕上げ馬が二台付いていて、バキューム/吹き上げの両方ができ、さらに全ての風量のコントロールできます。今は多分、これ以上のものはないと思っています。これに、11月14日に書いたスチーマーアイロンを組み合わせて使っています。共に毛皮専用の機材ではありませんが、今はこれがベストの仕上げ方法です。

長澤

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