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Category Archives: 原皮のお話し

こんにちは。今日はリンクスキャットのコートの価格を参考までにアップいたします。本来オンラインショップにオーダーとして参考までにアップする予定でしたが、登録を進めると200万を超える価格の登録が出来ないことが解り、このブログにアップしました。すでに昨年、このコートは販売されてしまっている商品なのでオーダーという形で出品しようとしましたが、駄目でした。そのためここに記載してみます。オーダーなので現品ではありません。リンクスキャットの表示回数がオンラインショップやこのブログでも意外に多く、マフラー系はオンラインショップで見て頂き、コートの価格も参考までにここにアップしてみようと考えました。リンクスキャットについても他の毛皮についてもよくありがちですが、百貨店店頭、一般小売店、または他のオンラインショップでも馬鹿げた価格が提示されているものも多く、品質に対して適正な価格が付いているものが私が見る限り、ゼロではないですが少ないです。リンクスキャットは産地や個体ごとによって品質の差が激しい素材です。触ることの出来ないオンラインショップでは判断がとても難しい素材ですが、それでも敢えてショップに出してみようと考えましたが出来ませんでした。
画像は、すでに販売されて、お客様のものということなのでここには載せません。このコートは販売される前にインスタグラムでもアップし、当時まだフォロワーが100人前後のときに、海外毛皮業者から、たくさんの賞賛のコメントをいだだきました。時間があれば、こちらインスタグラムも見てください。

いつかリンクスキャットについても書こうと思っていましたが、ネットで見ても百貨店時代を思い返してもそうですが、リンクスキャットの一番の価値のある白い腹をほとんど使わずに、いわゆる、白い腹を取った残りの背中の部分で作ったようなマフラーやショールがリンクスキャットという名前だけで、驚くような高額な価格で出ているサイトをたくさんみます。販売する側にその価値の無さが解らないのか、リンクスキャットという名前で異常に高く売れると判断しているのかは不明ですが、同じ毛皮を扱う業者としてとても残念な現実があります。

そんなことを踏まえながらパショーネのオンラインショップを見て頂けると嬉しいです。
私のところの、オンラインショップは商品そのものにも価値がありますが、ニュースで記載する記事内容にも大きな価値があると確信しています。まだ、読んでいないニュース記事がございましたら、是非他のニュース記事も読んでください。毛皮商品につきましてはブランド力、イコール価値が高い商品ではありません。ブランド価値を極端に求めるお客様には価値がない記事ですが、本当に良い商品をというお客様には必ず、読んでみる価値があることを書いております。ネットで毛皮をお買いになる新しい毛皮のお客様が、適正な判断ができるための記事になるよう努めています。

最後に少し話が少し、逸れてしまいましたが、インスタグラムの画像を見て頂き少しでもリンクスキャットの素晴らしさが理解していただけると嬉しいです。

 

画像もひとつだけ載せます。製作途中の身頃部分の画像です。ここでも解りますが、真っ白よりも背の茶色い部分が少しだけ入ったほうが、よりリンクスキャットらしく、綺麗です。価格は税込み440万になります。オーダーなので、あくまで参考価格で着丈やフレアー等のデザイン次第で価格が上下いたします。

一般的に毛皮コートの襟の裏は、毛質の悪い部分を見えない部分に使う傾向がありほとんどが、そう作られていますが、この私が作るものは見えない部分にのほぼ真っ白に作ってあります。    長澤祐一

 

すみません。一つ追加します。(2021/9/5)

最後の方だと一度読んだ方が気が付かないかもしれないと思い最初の部分に記載追加します。以前、ミンクは毛が短いほうが価値があるという誤解という投稿でも書きましたが、今日の某ブランドのミンクの毛もショートナップではなく、サガミンクによくある刺し毛の長いタイプを使っています。私のミントグリーンのコートも多分ショップかインスタグラムでですが少し刺し毛が長いタイプだと書いています。ピンクのコートの背中側の画像の裾の部分を見ると刺し毛が長いのがわかります。パショーネのコートも刺し毛が少し長いタイプですが、毛の癖が綺麗に取れているので、凄く綺麗なのが分かりますね。売り場でも知識の乏しい販売員がショートナップの良さだけ売り物にする場合がありますが、実はそうでもないのです。ショートナップももちろん素晴らしいのですが、サガミンクに見られる刺し毛の長いタイプも綺麗に作られると、それはそれで美しさが分かります。ショートナップにしても、刺し毛の長いタイプにしても、毛の癖がちゃんと取れてミンク本来の力が出れば綺麗なのです。

ここまでが、追加です。ここから下が元々の投稿になります。この下も読んでもらえると、より理解できるとおもいます。

 

以前、出店していた百貨店毛皮サロン在籍中、某有名ブランドFE???でお買い上げになられたコートのお直しをメーカー側がやれず、サロンに在籍していたリフォームの業者さんに依頼があり、そこでも出来ないといわれ、困って、私のところに持ち込まれたことがありました。

同じデザインを色違いで二点買われたようで、二点のお直しを同時に依頼されましたが、お直し自体は、なんで出来ないと断られたのだろうという程度のものでした。仕事を終えて、とりあえず写真を撮ったのです。

もちろん、作業中にも感じましたが、そのブランドが撮ったモデルが着用した画像や、ショップに飾ってあった時のイメージとはあまりにも落差があり、同じ仕様の同じデザインのコートなのに、芯の貼り方や最後の始末の仕方が違っていて、おそらくはイタリア国内で作っているのだろうと思われるのですが、作り方が違うということは、一つの工場で作ったのではなく外注加工で作られたものだと想像ができました。

普段は、よくそのブランドの店頭で見るくらいなので細かく作りまでは見ることが出来ませんでしたが、その時はじっくり見ることができ、もともとイタリアの毛皮そのものの基本的な加工技術(あくまで基本的な加工技術です)が繊細で綺麗だとは思ったことがなかったので、特に驚くことでもなかったのですが、それにしてもあの高級感のある売り場で見る印象とはだいぶ違うなと感じたものでした。正直、素材も作りも私が見る限りでは、少し残念な気がします。しかし、いつも発想は斬新です。それ故に惜しいな~と思うのです。元々海外ブランドの毛皮コートは素材の硬さや重さのあるものも多くあり国内の小柄な女性が着るには難しいと感じていました。

同じ皮系の素材として靴やバッグがありますが、どのブランドも、とても均一に高いレベルで作られていますが、毛皮は原皮一枚ごとの個体差が大きく、全てを均一に作るのはとても難しい素材です。国ごとに技術レベルも違いますが、それ以上に個々の技術者のレベルに大きくばらつきがあり、それが顕著にでる素材なのです。私のとこでも何度か外注加工を試みたのですが、仕上がりに納得がいかず結局自分で直すことが多く、その難しさをいつも感じ、外注に出すことを断念しています。

今日アップしたブランドのこのピンクのコートの何が一番残念かというと、染色時に起こる毛癖が付いたままの状態で作られています。細かい毛の癖ですが、これがこのコートが一番残念な部分です。モデルさんの髪の毛が寝ぐせが付いてたりしたら駄目なのと同じなのですが、ほとんどのケースで染色時に毛に強い癖が付きますが、これをなかなか完璧に綺麗に取り除くことが出来ません。もちろん私のところではできますが、やはり設備も技術も必要になります。癖を取るのに蒸気を使いますが、蒸気だけでは100%は取れません。熱をかけることのリスクもかかるので自信がないと出来ないのです。よくある毛皮用のスチーマーで7割くらいは取れますが、残りの30%の毛癖を取ることが見栄えとしては、より大事になります。そして大きなリスクもあり、一般的にはその三割を取るのを断念します。染色における熱と毛に染料を入れるために使われる薬品のによるダメージは厳しいのだと想像できます。

 

 

たかが毛癖なのですが、とても大事なところです、ここに某ブランドのコート画像とパショーネのコート画像を両方アップしますので、その僅かな違いが大きく仕上がりに影響することが分かってもらえると嬉しいです。

 

これ以外の画像は直接インスタグラムのリンクからみてください。

染色では色の濃い方が癖が強く出やすいのですが、下のリンクを見てもらえば毛の癖がしっかりとれることが確認できます。

 

以前、アップした染色時についた毛癖取りについての投稿もここにリンクを貼っておきますので見てください。

毛皮の染色後の毛癖取りと仕上げ

 

今日は、最初から謝ります。ブログはあくまでブログ用に記事を書くと、先日公言したばかりですが、今日はその約束を破ります。

理由は、どうしてもパショーネの商品に興味のある方には必ず読んでいただきたいからです。

 

インスタグラムにもアップしましたが、このブログにも今日はアップしようと思います。

インスタグラムのコメント欄を全部読む方は少ないと思いますから、そんな意味でここにもアップします。

ここから下がインスタグラムのコメントです。画像が見たい方はインスタグラムを見てください。https://www.instagram.com/passione.co.jp/  本日2021年8月19日の投稿です。

 

こんにちは。コメント最後まで読んでいただけると嬉しいです。今日は商品のアップではありません。でも、素材はまたチンチラです。もう飽きた!と言れるかもしれませんがチンチラの投稿が目的ではありません。

今日の画像のテーマは二つあります。チンチラの原皮が綺麗でボリューム感があることはもちろんのことですが、画像の二枚目三枚目にはもう一つの意図があります。

パショーネでは原皮や商品の取扱いには、かなり気をつかっています。

その理由は、今在庫としてある原皮や商品は、いつか買っていただくお客様からの、お預かり品のようなものだからです。

商品をショップで綺麗に展示することも大事です。しかし、展示によって蛍光灯の光で色焼けしたり退色したり、または汚れたりするリスクがあることを常に頭に入れておく必要があります。

原皮も同じように気を遣います。二枚目と三枚目画像のようにバンドルごとに黒い生地をかけて光や汚れから守ります。少量だから出来るのだろうとも言われるかもしれません。確かに専門の業者さんの扱う数量とは比較になりません。それでも総原皮枚数で言えば、千の単位は簡単に超えます。それを全て生地をかけて同じように管理するのは大変な作業です。それでも、将来のお客様のためにやらなければなりません。カバーをかけることが大変なのは、バンドルを見て、それが何の種類か、何色かが瞬時にわからないという不都合があるからです。でも、それは原皮のためではありませんよね。自分の作業が都合よく出来なくなるという、管理する側の自分都合から発生していることです。

パショーネが商品の魅力にこだわるのはあたりまえのことですが、商品や原皮そのものの扱いにも気を使います。毛皮を綺麗に飾ること、華やかに見せることも大事です。しかし、そこには常に商品や原皮そのものの価値が下がるというリスクを意識しなければなりません。クオリティが高いという意味は、そういう地味な部分もできて初めて言えることだと思って仕事をしています。自分の商品だからといって、香水をつけて毛皮の試着はありえません。でも、ちゃんとそこまで気をつけて毛皮商品と接していますか?私達は、私はあたりまえのことですが、デザイナーも香水は付けません。神経を使うということはそういうことです。繊細な仕事とはそういうものです。見えないところを何処までやるのかです。

 

以上、ここまでがインスタグラムのコメントです。

 

なかなか気を付けようと思っても、一般的には出来ていないことです。国内業者さんにも見受けられますが、海外などでは当たり前に床に原皮を置きます。私達は昨年4月まで日本橋にある某百貨店毛皮サロンに常設していましたが、常に、綺麗に見せることと飾ることのリスク(褪色・変色)との間で大きな葛藤がありました。今は、それはなくなったといっても、アトリエでお客様をお迎えするときに常に綺麗に商品を展示したかたちで置くのかどうかを悩みます。現在はオフシーズンなので全て保管状態になっていますが、シーズン中にはどうするかを考えなければなりません。

基本的にはラックにかけて一時的に展示したとしても、お客様に見せる瞬間以外はラックに黒い生地をかけての展示になるかと思います。

宝飾品のように磨けば戻るという素材ではありません。知れば知るほど扱いに神経を使います。

 

毛皮商品の色焼けにつきましては、また後日このブログでアップいたしますのでお待ちください。  長澤祐一

 

今日はブラックのミンクについて書いてみます。

黒のミンクで代表的なものの一番がアメリカ産のブラックグラマミンクでしょう。私はこの分野の専門家ではないですが、もしかしたら専門家が知らないことも伝えられるかもしれませんので、是非最後まで読んでみてください。

まず、ブラックグラマミンクについて書いてみます。産地については専門ではないので詳しくは書きません。知っている範囲で書くとすればアメリカ(北米)ですが、すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ほぼブランド化してしまっているようです。一般的にはパールミンクとかパステルミンクのように色としての名前がありますが、ブラックグラマミンクは色の種類というよりは一つのブランドのようになっています。ナチュラルでここまで濃いミンクはおそらくないのでしょう。以前は軽く強化(黒くする)されているものもあったような気がしますが、最近のブラックグラマは本当に刺し毛が短くシルキーで綺麗です。しかし、ブラックグラマミンクは黒ではないのです。離れてみるとほぼ黒にみえますが、基本的に真っ黒という毛皮はいません。茶を思いっきり濃くしたダークという色がありますが、それをさらに濃くして刺し毛が綿毛に埋まってしまうくらい短くなったものです。ショートナップとよく言われますが、ブラックグラマミンクのそれは他のものとはまったく違うといえます。もちろん生産者ごとに品質の差はあるようですが、他の色のミンクのショートナップとは違います。私のインスタグラムでもdixonminkさんというアカウントがあり、よくDMでもやり取りをしますが、素晴らしいミンク生産者です。私のもつ在庫に素晴らしく綺麗なブラックグラマミンクがありますが、それが彼が生産したものかはわからないのです。でも、私の持っているものも素晴らしく綺麗です。

次に染めてあるミンクについて少しだけ説明します。

よく私のオンラインショップの商品にも強化という説明書きがあります。出来るだけ解りやすく説明すると強化とは、漢字で見てわかるように強調するとか強めるとかになります。例えば、ダークミンクを黒に近づけるための処方になります。ですから、薄い色のミンクからは強化では黒くはなりません。元々濃いダークやデミバフミンクを強化することで黒に近づけるということです。ですから、色の濃いダークに比べて少し薄いデミバフミンクだと、強めの強化をするようですが、色をよく見ると少しだけブラウン系の色なのが分かります。良くミンクにブルーイングすると言いますが、これも同じく青味を付けるとか青味を強調するとかの意味になります。ホワイトミンクをより白く見せるためにホワイトニングするとも言われます。全てが同じ系統の薬品を使うかは私は分かりませんが、相対的に見て強調するという意味です。

ブラックに戻ります。黒くする方法に二種類あり、一つは染色です。一般的には染色は酸性染料を使うと言われています。
しかし、強化とは、酸化染料を使っているそうです。染色は確かではありませんが、50??度前後のお湯のなかで染めるらしいです。温度を上げると綺麗に色が定着するらしいですが、皮を痛めてしまうことがあり、とても難しい作業のようです。酸化染料は水の中で色を付けると聞きます。酸化染料の一番わかりやすいのは人間が使う髪染めのなかに、よく最初はクリーム色していて、空気中の酸素に触れて黒く発色するものがありますが、あれが酸化染料です。毛皮の場合は鞣し工程のなかで水の中に毛皮を入れて強化するのだと思いますが空気中の酸素ではなく水のなかで染料が酸化発色しミンクの毛を変化させるということらしく、その分真っ黒にはなりにくいと言われています。だから強化なのかもしれませんね。

 

この強化のメリットは染色のようにお湯につけずに色を付けることができるためにクロム鞣しという処理をせず、通常のドレッシングという鞣し工程の過程で色を強化することができ、仕上がった皮が染色にくらべて柔らかく仕上がるというのが最大の特徴です。

ただ、この強化だと黒っぽくはなるのですが、真っ黒にはなりません。よく見ると濃いブラウンです。これをブラック強化と一般的には言われています。

さらに、酸化染料で染める方法がもうひとつあります。染色工場でやる方法です。上のほうでも書きましたが、これは水のなかではなくクロム鞣しをして、耐熱の皮にしてからお湯の中で染める方法です。これは同じ酸化でも、真っ黒に染めることが出来ます。その代わり少し皮が固くなったり皮の伸びが悪くなったりします。ブラック強化と一長一短の特徴があり、用途によって使い分けるしかありません。

それから、一般的には黒は染色工場さんでも酸化染料で染めるようですが、皮が固くなるのを嫌い私は酸性染料で染めてもらっています。これは通常の赤や青のような染料で染めるようです。もちろん黒という酸性染料があるのかは分かりません。調合して黒にしているのかもしれないのですが、私は刈毛用として酸性染料の黒染を依頼していました。
その理由は、刺し毛が綿毛に比べ染まりにくく、どうしても綿毛は黒になるのですが、刺し毛が黒になりません。グリーンっぽくなったりします。黒の染料が三原色を均等に合わせて作るからなのかどうかは不明ですが、わずかなバランスでグリーンっぽくなったり他の色が出てしまいやすいのです。そのために刺し毛をカットしてしまう刈毛でしか酸性染料では染めません。黒染めの酸性染料染めが何故いいかは、皮が酸化染料の染色よりも柔らかく仕上がることが私にはとてもメリットがありました。当時の担当者さんには苦労をかけたようですが、それでも仕上がりが柔らかいということには代えられませんでした。

ちなみに酸化染料で染めたブラックは皮は硬くなりがちですが、しっかりとドライクリーニングをすれば柔らかさはでます。
さらに、酸性染料で染めたミンクの刺し毛がグリーンっぽくなったりしましたが、酸化染料で染めたミンクの刺し毛はちゃんと黒になりやすいという結果が出ています。酸化染料自体が三原色を組み合わせた染料ではなく詳しくは分かりませんが薬品に近いのかもしれません。間違っていたらごめんなさい。

毛皮のブラック染色とブラック強化の説明は私が知る限りでは以上です。強化そのものの意味がよく分かりにくいことと、酸化と酸性染料の違いなど染色方法で皮の柔らかさや色の出かたが違うことなど、とても複雑で分かりにくいですね。

今回のことについても、あくまで私の感性で感じたことなので、他のひとが同じように感じるかどうかはわからないのです。

そして、手法の説明も完璧ではないはずです。しかしひとつ言えることは、仕上がった結果に対する説明に関しましては絶対の自信をもって書いています。そこだけご理解いただき信頼してもらえると嬉しいです。    長澤 祐一

以前から疑問に思っていたことですが、最近また気になったことがありましたので書いて見ます。
毛皮の素材表示または素材のタグ、例えばサガファー(sagafurs)やコペンハーゲンファー(kopenhagenfur)の各種タグがあります。ロシアンセーブルなどで言えばSOBOLのラベルなどです。

私のところも以前は付けていました。sagaロイヤルやコペンハーゲンのラベルのようなものを。
しかし、今は付けていません。それは、そのラベルに絶対的な信憑性がないからです。ラベルは原皮一枚ごとに付けるわけにもいきませんから、最終的には原皮屋さん、加工屋さん、販売店の良心に依存します。最後、商品になったら誰もわからないのが現実です。かすかに言えるとすれば原皮を良く知る人ならば、これはこのクラスのものだろうと推測で判断が出来るということだけです。
タグがなくてもすぐわかるとすれば、ほんとのトップクラスのブラックグラマミンクや生産者が特定しやすいマーブルミンクくらいだと思います。

にも関わらず、販売側は一生懸命に、素材ラベルを気にし、それをことさらアピールします。今も時々、毛皮小売店のサイトで見ます。何故、自分の評価でお客様に薦めることをしないんだろうといつも思います。自分が見た、感じた評価ではなく他人か決めた価値感にその評価を委ねる。なにか違うなといつも思います。

ひとつ付け加えますが、実際にどうやって原皮とラベルが一致されて原皮屋さんに供給されるのかは私には当事者ではないので解りませんが、実際の原皮とラベルの品質が一致しないというのはオークション会社の問題ではないのかもしれません。その原皮とラベルの取り扱いをする段階での問題のように感じます。しかし、上で書きましたが原皮一枚一枚にラベルを付けるわけにはいきませんのでどうしようもないのです。原皮屋さんが適切に原皮とラベルを提供したとしても、末端の制作段階において原皮が他のものと混ざらないという保証もなく、加工段階で意図的に差し替えられることも可能性がないわけでもありません。最終的には毛皮を扱う業者がすべて良心的であるということを祈るしかないのです。
ただ、それは難しく感じます。

私のところでは、原皮はそれぞれ自分で価値を決めて使います。あまり他人が決めた価値には拘りません。あくまで使う原皮と作る商材が求めているものを一致させることを優先しています。余程のことがない限りはラベルは付けません。例えば、 ブラックグラマのような特殊なものは付けますが、実際、そのラベルが原皮のロットのものかは判別できませんし、なんとなく矛盾を感じながら仕方なく付けています。

例えばロシアンセーブルなどのSOBOLラベルも、正確ではないかもしれませんが、聞くところによると1バンドル50枚に一枚付くとも言われています。しかし、現実には4枚使用のショールなどにも必ず付きます。実際、私も付けます。セーブルを買っている量もそこそこあれば、欲しいといえばもらえます。逆に言うと普段はセーブルを買ってもラベルは付いてきません。

なんとなく不安を煽るようですが、そうではありません。一般的なものを不安なく買うという意味ではラベルは大切です。さらに最近よく言われているトレーサビリティ・跡をたどるという意味でも大切です。ただ、さらに今以上の商品を買おうとするならばラベルを気にすることよりも、毛皮そのものを今以上に知る必要があるのと、買う相手をしっかりと選別する必要があるということです。品質を証明するラベルがついていることをことさら強調する売り場が仮にあるとすれば、一度少しだけ疑ってみても良いかもしれません。

私のブログは販売業者さんもみていると思いますので付け加えますが、これを読んでカチンとくるか、これを読んでなるほどと思うかは、その人次第で、出来れば良く受け止めてもらい、それぞれが毛皮という本当に解りにくい商材の信頼性をラベル以外の方法も含めて高めていくことに努めてもらえればと祈ります。

極端な話ですが、某超ビッグブランドのFEN??がコートの品質を保証するためにわざわざ原皮のラベルを付けていますか?そんなことはないですよね。私が知る限りではありませんでした。時期によって変わるのか商品によって変わるのかはわかりません。素材ラベルを付けないのは、品質やブランド力に自信があるからなのでしょう。当然のことです。でも、それは知名度があるから余計なラベルを付ける必要がないわけでわなく商品に対する自信からなのだと私は思います。きっと、創業当初で知名度がない時代であっても自分のブランドタグ以外に余計なラベルを付けることはなかったのだろうと、それが自分のブランドに対する自信や良いものを作っているという意識からくるものであって、今のようにビッグブランドになったからではないのではと感じます。

私のところがそれと一緒とは言いません。しかし、自社ブランドへの誇りと商品に対する思いは同じなのです。そんなこともありPASSIONEでは他人のつけた価値に頼るようなラベルは一部のもの以外は付けていません。

以前、某百貨店時代に、お客様からオーダーを受けて、PASSIONEブランドラベルを付けないでくれと言われたことがあります。きっと無名の私達のラベルを付けるのを恥ずかしいと感じられたのかもしれません。百貨店側のお客様なので当然指示に従いましたが、当時、悔しい思いをした記憶があります。お一人だけでしたが、そんなことも過去にはありました。

だからといって、他人が決めた価値に頼って、曖昧な原皮のラベルを付けようとは思わないのです。
書きたいことはまだまだありますが、今日はこのへんで止めておきます。

もしも、お客様として今回の記事を読まれるのであれば、きっといつかお役に立てると思う記事ですので、原皮のラベルにおける諸事情は記憶に留めておいていただければと思います。      長澤祐一

ミンクは毛が短いほうが価値があるという誤解。この記事は当社オンラインショップの昨日のニュースに投稿したものですが、結構知らないひとが多いので、ここにも載せてみます。画像はここには載せませんので、是非ショップのニュースで見てください。

一般的にいうとミンクは毛が短いほうが価値があると言われています。ただ、この短いという意味には、いくつか誤解があります。いわゆるショートナップといわれるアメリカンミンクのようなタイプのミンクの本当の意味は毛が単純に短いということではありません。ショートナップの本来の意味は綿毛に対して刺し毛の飛び出す長さが、とても短いという意味です。一般的にサガミンクは綿毛から飛び出す刺し毛の長さが長いとされていますが、最近ではヨーロッパのミンクもコペンハーゲンファーのようにアメリカンタイプのように刺し毛が短いものが多くなりつつあります。
しかし、フェンディのようにヨーロッパ系のブランドの多くはアメリカンタイプの刺し毛の短いタイプではなくサガミンクのようにすごく長い毛のミンクを好んで使っています。アメリカンタイプのシルキーといわれるものよりも毛が長く、より毛皮らしいものを好んで使います。一度フェンディのショップにでも行って見てみると、それが良く分かります。今回のこのウィスパーピンクのボレロも毛が長いタイプを使っています。写真でも解るように拡大して撮ってある写真がありますので前回アップしたダスクブルーボレロと比べてみてください。毛皮を少し知ったひとはショートナップをことさら良いと思い込んでいますが、実はフェンディはミンクについては真逆のスタンスを取っています。フェンディの発症の地がイタリアであるためにヨーロッパ系のミンクを好んで使うのかは分かりませんが、そういう事実があるということも認識したうえでショートナップについて話す必要があります。

ここまでがニュースで書いたことですが、少し付け加えようと思います。ショートナップの意味は上で書きましたが、このブログでも以前書いています。それ以外で書いてないものというと、綿毛と刺し毛も含めた全体の毛の長さです。ショートナップという基準でいえば、やはりアメリカンミンクの最高ランクのものには敵いません。特にブラックグラマ系のミンクのほんとうに綺麗なものは刺し毛も綿毛もほとんど同じくらいの長さになります。このクラスは一般のひとは、おそらくですがほとんど見ることはないと思います。

デンマークのミンクも素晴らしいのですが、さすがにこの最高ランクのブラックグラマミンクには敵いません。私が、敢えてデンマークのミンクとアメリカのミンクのわずかな違いを言うとすれば、他の業者のひとは感じないと思いますが、綿毛が長いと感じます。その分、触り心地は、ふっくらとした柔らかなボリューム感があり刺し毛はアメリカほど短くはないのですが、触り心地はアメリカと同じように心地よいのです。まあ、これは実際に業者の方が触ってみたくらいではわからないくらいの差ですが。私は実際に色を合わせたり、お尻同士や、腹同士を縫い合わせたりしますので、必ず、綿毛の長さをミリ単位で測ります。その結果はミンクの個体差はあるとはいえ、相対的には上に記載したようにデンマークのミンクのほうが少しだけ綿毛が長いと感じます。

フェンディも長い刺し毛の長いタイプだけを使っているというわけではありません。時々ショートナップのものを使っているときもありますが、相対的にいうと長い毛足のあるものを多くつかっているような気がします。短い毛のミンクも時々見受けられますが、アメリカンミンクのような超ショートナップのものは、私は見たことがないのです。某百貨店時代に毛皮サロンのそばにフェンディがありましたので、よく見に行ったことがあり、店長から顔を覚えられてしまい嫌味をいわれたことがあります。💦 フェンディの商品については、また別の機会に書いてみます。

毛皮の中でも、オスとメスの区別やサイズの細かい区別、さらには色の種類、毛の長さ、、、というように、ここまで細かく区別されている毛皮素材はとても珍しく、だからこそ細かい知識が必要になるのです。

今日はこれくらいでやめておきます。

長澤祐一

 

ブラックグラマミンクのショートナップ