毛皮の作り方のポイントを動画化

IMG_1111弊社アトリエでは、一年に数回しかやらないという仕事がたくさんあります。すべての作り方を記憶するというのには、とても難い情報量です。そんなことで、20年前くらいから作り方のポイント等を動画化しておくようになりました。

しばらくぶりにやる仕事はだいたい、最初は思い出しながら、最後のほうでやっと思い出し、あ~~~前回もこうやったよな~~とかになるのが一般的です。

これによって、車でいえば、久しぶりにやる仕事は、ローギアから入って、セカンド、トップっというように徐々に、思い出しながら作業スピードが上がっていきますが、動画化してあると、スタートもセカンドギヤからのスタートが出来ます。

それ以前は紙やPCに記録し、テキストや画像でマニュアル化していましたが、意外に画像でも理解が遅い場合が多いのです。

動画の場合は、一気に情報が入ってきますので、とても助かります。今でこそ、動画は当たり前ですが、当社では20年前からやっていて、島精機SDSONEを買ったときにも、HELPを動画でマニュアル化したら、、、と提案したのを覚えています。

場合によっては、機械の故障などもすべて動画化してありますので大半の修理はアトリエ内で出来るのです。
業者を呼び来てくれるまで作業が止まるようでは仕事になりません。ですから業者のひとが来て修理をしてくれるときに修理のポイントを聞き出し録画しておきます。

最初の頃はまだビデオが8ミリテープだったので、録画した動画を取り込むのに撮った時間と同じ時間テープをまわし入力しなければならず、とっても苦労していましたが、今では写真のビデオカメラで記録し、録り込みもメモリーカードでUSB3.0並みのスピードでデータ移動ができます。HDDビデオの出始めの頃のビデオも買いましたが、当時のものは録り込み時間が遅すぎてどうにもなりませんでした。

最近はこのビデオであっという間に動画が録り込むことができ、とても便利になっています。

レットアウトミシンPFAFF3560も故障や修理の手順などをしっかり撮ってあり、それがなければ大変なことになるのです。

写真はジャノメの家庭用ミシンです。年に数回ですが、鳩目ボタンホールをつくらなければならないときがあります。そんな時に、簡易ボタンホールを作るのに、このミシンを使いますが、残念ながら、使い方をまったく覚えていません。

ジャノメミシン

しかし、動画を撮っておくことで瞬時に使いこなすことができるのです。弊社アトリエの本当の強みは、この膨大な蓄積された動画データがあることなのです。

作業中にビデオを撮ったりすると時間がかかりますが、あとあとのことを考えれば、ここでの時間の投資は無駄にはなりません。

こうして、アトリエでは機械化、デジタル化、マニュアルの動画化・・・というように、毛皮業界では、あまり見ることができない、しかし、一般の世の中では当たり前と言われているようなことに、しっかりと目を向けて技術力を高めようとしています。

表面に見えている技術力が売りではなく、このような仕組み作り(システム化)が弊社アトリエの本当の売りなのだと自負しているところです。

長澤祐一

 

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