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今日は毛皮の編み込みタイプのクリーニングについて書いてみます。

以前、とても流行っていたタイプで、よく売れていました。私のところでも、少し仕入れたものや帽子タイプのものを商品化したものを今も販売しております。
軽く柔らかいことが特徴で、よく重宝されていたようです。

マフラー系だと、首に直接巻きつけて使うことができる分、首や肌に直接密着して、お化粧や汗がマフラーにべったりとついてしまいます。
下の写真でもわかりますが、もう、毛皮の見る影もなく、ベッタリと皮脂がついてしまい、とても、このまま使う気にはならない状態になります。

これをクリーニングしたのが下の画像⬇️ですが、以前の、ふわっとした元の状態に戻ってますね。洗い方は、残念ですが、今回は書きません。

セーブルは元々はそれほど皮脂を吸収するタイプの毛皮ではないのですが、それでも、使用頻度が多いか、もしくは、たまたま、汗をたくさんかかれた場合等では、ここまで皮脂で汚れてしまいます。

この画像は⬇️チンチラですが、これも綺麗に皮脂が落ちています。

うっかり、元の状態をとっていなくてクリーニング後の仕上がり写真しかありません。

チンチラは特に皮脂を吸収しやすく、毛皮素材のなかで一番、皮脂が落ちにくい毛皮です。一般の人がやるとすれば、コーンスターチ等の粉をかけて、その粉に脂分を吸収させる方法もあります。

しかしながら、実際にはパーフェクトには落ないことと、チンチラに付いたコーンスターチ等の細かい粉末を一般の方が落とすことは出来ませんので、あまりお勧めはできません。

今日は短いですが、そろそろ冬の装いの準備が始まる時期かもしれませんので、いざ使おうと思ったら、脂汚れや匂いに驚いてしまうような場面に当たるかもしれません。そんな時のために書いてみました。

長澤祐一

 

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今日は”毛皮の魅力を撮る”のタイトルで書いてみます。

最近、インスタグラムを始めました。自分が一番アップする写真でこだわっているところは、Furの本質的な魅力が表現できればと思ってアップしてます。

【Instagram】株式会社パショーネ
https://www.instagram.com/passione.co.jp/

Furや毛皮やFurbagとハッシュタグ検索すると、もう見切れないほどの画像が出てきますね。でも、あの小さな携帯の画面で、ハッとするような画像はあまりないように感じます。あくまで私の主観ですが。

毛皮の魅力を知らずに、ただデザインだけで掲載されている写真は腐るほどありますね。毛に癖がつこうが、毛が潰れていようが、お構いなしの写真がたくさんあり、毛皮の奥深い魅力を知っている自分にとっては、とても残念な気がしてなりません。

私はカメラマンの技量などまったくなく、カメラワークの技術もまったくありません。ただ、他人と違いを出せるとしたら、毛皮の奥深く秘められている、毛の柔らかさ、天然だからこそ表現できるその色、毛皮にしか出せない陰影、ここしかないと思って撮っています。

撮影技術が無い分、数枚撮って、自分がハッとするものをアップしています。見ていただくひとに感じるかどうかは二の次なのです。まずは自分がハッとするかどうかで判断しています。パショーネ作品にとって一番大切にしている部分だからです。

毛皮の商品を作る上で、このハッとする毛皮の奥深く潜む魅力を感じて作ることは、私にとって何よりも大事だからです。逆に言うと、その本当の魅力がわからずに作る技術者の作品には毛皮として一番大事なものが欠けていると、いつも思います。

よく、今はデザインの時代だと言うバイヤーや専門家がいますね。それも大事なことです。でも、デザインだけでよければ、大事な毛皮を使う必要なんてないんです。生地でも皮でも何でも良いはずです。例えば、ジュエリーが全てはデザインだと言い張るなら、本物の石じゃなくてもいいはずです。

毛皮も同じなのです。販売の現場にいても、ほんとうによくそんな言葉をよく聞きます。悲しいことですが、そんな言葉を間に受けて作られた毛皮商品に魅力などあるはずがありません。

デザインが大事なことなど、あたりまえのことなのです。だからと言って毛皮の品質がどうでもよいということにはなりません。それなりのお値段を頂いているからです。

話を戻しますが、だからこそ、ひたすらその魅力にこだわるのです。毛皮の毛も皮も、人間の毛や頭皮と同じです。作り方だけではなく、毛そのものを綺麗に仕上げ整える、まるで綺麗な髪のモデルの髪の毛のように仕上げるのです。

もともとのポテンシャルの高い毛皮は、大きく化けるのです。そんなものが表現できればと思い、インスタグラムにも投稿しています。もし、パショーネのインスタグラムを見る機会がありましたら、是非そんな部分も少しでも感じていただければいいかなと思っております。

長澤祐一

 

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今日は毛皮の逸品という言葉の意味について書いてみます。ネット検索すると「逸品」すぐれた品(しな)。絶品。とあります。他の商品については私は解りませんし書くつもりもありませんが、毛皮なら書く事ができます。

最近、よく逸品会というものが各小売店でありますが、毛皮の逸品とは?果たして何を示すのかという疑問をよく持ちます。大半が中国で作られた毛皮製品、一部に海外ブランド、一般の人があまり聞いたことのないインポートものという大きな枠で括られた商品群。

一般の国内毛皮加工が海外品から大きく劣るという国内事情もあり、中国産やヨーロッパ製品で決して抜群に綺麗なとどは言えないものでも逸品として陳列するしかなく、しかも、値段がより高額なものが逸品だと認識されているこの業界のなかでは正直、目もあてられない現状があります。

例えば、牛肉のなかでも一般の牛肉と、逸品と言われる牛肉があり、それは毛皮に置き換えれば、ミンクでも、チンチラでも、セーブルでも、リンクスキャットでも、とても逸品と言えないものもあれば、うぁ~綺麗!! デザインも最高! と思わず感動してしまうようなものがあるということです。リンクスキャットだからセーブルだからと一括りにして逸品と扱うのは、完全な売る側の勉強不足なのです。

ミンクでも、例えチンチラの小物でも、圧倒的に優れた素材や作りの違いがあるものが逸品と呼ぶのに相応しいのであって、素材が高ければ、値段が高ければ ”糞でも味噌でも”逸品というのは売る側にも問題があるような気がします。

逸品会等のカタログに出ているもののなかで、おっ、これは、ほんとうに逸品なのか?と目を疑うものもあり、その出品されているものを良く知っていると、そう感じるものがあります。そんなものが出ていると、知らない他の商材にも疑問を持ったりもします。ただ、ひとつ商材を揃える側に立って理解するところがあるとすれば、厳密に逸品しか出さないと言ってしまうと出展する商材がほんとうに限られてしまうという現実もあることもよく理解できるのです。しかし、こと毛皮という商材に限れば、疑問は大きく残ります。

毛皮の話に戻りますが、一般のお客様はリンクスキャット、セーブル、、、と聞くと、すごい、高い、というようなイメージを持たれるかと思います。しかし、リンクスキャットやセーブルでもピンキリなのです。ボリューム、毛質、色、腑の綺麗さ等でランクが別れ、さらに、作り方でも大きく品質が変わります。腹だけを使って作られる真っ白いリンクスキャットのベリーでさえも、ろくでもない商品はたくさんありますし、ネットでは十把一絡げでセーブルやチンチラを扱われていますが、本来の価値はそれぞれに大きく差があるのです。

今日はこれ以上書くと、いろいろと支障がでますので、いつもよりも短いですが、ここまでで止めておきます。書き出すと止まらなくなりますから。(笑)

今日の写真は、最近インスタグラム(Instagram)を始めて、私が綺麗と思う写真をアップしていますが、その中のいくつかを載せてみます。

一番上の1枚は チンチラカフスセット(マグネットでマフラーにも使えるタイプ)の写真です。

よく、このブログで背中心を正確に出すことや腹のラインを正確にチェックすることなどを書いていますが、このチンチラをよく見ていただければ、背中の黒い部分の分量や白い腹の分量が正確に左右に別れていることがわかりますね。

そして、写真で見ても、デンマーク産の最高ランクのチンチラの良さが解ります。ちなみにこれはブラックベルベットタイプではありません。それでも、これだけ白、グレー、黒がはっきりしていて、まさしくこれが逸品なのです。腐ったセーブル、チンチラ、リンクスキャットは逸品ではありません。

もう一枚は、見て解りますが、写真からも、その毛のシルキーさが伝わるような黒染めのチンチラです。チンチラブラック染めは、どうしてもチンチラの毛のウエーブが染色工程で伸びでしまいボリュームが落ちます。

そのため、デンマーク産のものでも、さらに選び込まれたボリュームのある原皮を選ばなければなりません。写真でも黒の沈み込むような黒さと毛の横面に光があった部分でチンチラの立体感が出ていますね。これも、間違いなく逸品なのです。逸品だからと言って、価格の高さや雰囲気に踊らされることのない購入が望まれるところです。

長澤祐一

 

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最近、リフォームのときにクリーニングをやっていると謳うサイトがいくつかあります。確かに、リフォームのタイミングが一般的なクリーニング以上に効果的ではありますので、サイトに謳う分には問題はないと思います。

しかし、その内容については、よく吟味しなければなりません。クリーニングの内容がまったく書いてないサイトがほとんどなのです。

さらに、毛皮のクリーニングの専門業者のサイトでも、あれもできます。これもできますとホームページトップでは謳いながら、深く掘り下げて読んでいくと、様々な条件をつけて、あれは出来ません、これも出来ませんと、少しリスクのあるものは全部できませんと避けて通ります。

確かにリスクは理解できます。しかし、プロである以上、ホームページのトップで謳っている以上、もう少し踏み込んだ仕事をして欲しいものです。

香港からの毛皮のクリーニング依頼

今年、香港在住の日本人の方から連絡があり、毛皮が硬くなってしまって、これを治せないだろうかというお問い合わせでした。内容をよく聞くと毛皮のコートを洗濯機で洗剤を入れて洗ってしまったということでした。

毛皮はサファイアかバイオレットか少し黄ばんでいて判別がつきにくかったのですが、おそらくサファイアミンクではなかったかと思います。ナチュラル系の染色加工のされていない毛皮は水に弱いということは以前、何度も書いていますが、クロムなめし加工処理がされていない毛皮は水にずっとつけておくと酸某潤を起こし、劣化してしまいます。

洗濯時間が5~10分くらいだったようで、さすがに毛皮はカチカチでまったく柔らかさはなくなり、着れる状態ではありません、ダンボールのような硬さでした。

ここまでなると、治るかどうかは、やってみないとわからないので、お客様にはリスクがあることをお伝えして、お引き受け致しました。

カチカチになったコート

カチカチになったコートのまずは、裏地・付属等をすべて剥がして、各パーツ(身頃・袖・エリ)ごとにバラして、一番ダメになってもよい、裏エリで柔らかさが戻るのかを試してみました。

カチカチに硬くなった裏えりに、シリコン系の柔軟剤をスプレーで少しずつ染み込ませます。水は出来るだけ避けたいので、アルコールに溶かしてアルコールの浸透能力を使って染み込ませます。入れ過ぎないようにしながら、少しずつ柔軟剤を入れていき、この状態で皮を手で揉みほぐし皮の繊維が動くかどうかを確認します。

今回のコートは元々の状態が年数の割には良かったようで、繊維が少しずつ動き始めました。これを自然乾燥させて、また同じことを繰り返すうちに、繊維の奥まで柔軟剤が入っていき、徐々に柔らさがでて、毛皮もどんどん伸びる状態になりました。

裏えりで可能性があることを確認し、お客様にも状態をお伝えした上で、コート本体を柔らかくしてクリーニングすることを始めました。

ただ、ここで注意しなければならないのは、皮に入れた柔軟剤は繊維の滑りを良くするために、とても大量に入れますので、最終的には有機溶剤とオガで洗わなければなりません。柔らかくなれば良いということではないのです。

必要以上に入った柔軟剤は界面活性剤と同じで、空気中の水分をスポンジのように吸収しやすく、毛皮の皮の部分が水分を吸収すると、どうしても皮の脂分の酸化が進みます。これによって、皮の表面が黄ばんだり、皮の劣化が進行する原因にもなるからです。

これらの作業で使う、有機溶剤やオガの量も通常に使う量に比べ、大量に使い、さらに、毛皮に香水や強い脂分の汚れ等があるものが、ほとんどなので、オガの再利用は出来ません。香水や化粧品の匂いが着いたオガを他のお客様のコートに使うと、匂いを吸収したオガから逆に別のお客様のコートに匂いが移るからです。

毛皮のクリーニング

以上、今回のお客様の毛皮のクリーニングの流れをザクッと書いてみましたが、プロの業者としてクリーニングをしていますと自社サイトに謳うならば、これくらいのことはやれないといけません。ただ、手で毛の表面を拭き取るくらいでクリーニングをしています等というならば、それは詐欺に近いと私は考えます。

自分もブログやHPを友人の力を借りながら運営していて最近思うのですが、サイト内を綺麗な写真で飾り、やっていないこともやっているといくらでも書ける、このネットのなかで、どうやったら信頼性、信憑性を勝ち取って行けるかと、とても悩みます。

今回の、このお客様のコートはクリーニングを終了した後に、香港からご来社いただきましたが、リメイクは香港のほうが価格が安いこともあり、香港でやりたいという希望を尊重し、クリーニング代金だけをいただき、お返しいたしました。

写真はお客様から、最初にいただいた写真で、動画はクリーニング後にお客様に状態を見せるために撮ったものです。

日々、ブログを書くために仕事をしているわけではありませんので、特に写真も効果的なものは撮っておりませんが、信頼できるかどうかは記載した内容にて、ご判断いただければ嬉しく思います。

長澤祐一

 

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パショーネ カラーファーコレクション(三越日本橋本店本館3階イベントスペース西)

 

昨日、13日から19日までの1週間、三越日本橋本店本館3階イベントスペース西にて、パショーネのパステルカラーをメインにしたファーコートと小物を展示しております。

ファー小物、バッグ等のお好きなお客様がいらっしゃいましたら、是非ご来店くださいませ。

バッグ等、間違いなくパショーネでしか作れないものばかりです。

バッグ一点だけアトリエで撮ったスナップ写真を載せます。

追伸、 いつもいつも本当にたくさんの方に私のブログを見に来ていただいており、更新できずに本当にお礼と、お詫びを申し上げます。これからも当ブログを可愛がっていただけますよう、お願いいたします。

今日は、13日から一週間19日まで三越日本橋本店本館3階イベントスペース西にて開催しておりますパショーネのカラーファーコレクションのお知らせでした。

長澤祐一

 

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今日はリンクスキャット(Lynx Cat)の主な特徴について書いてみます。

リンクスキャットと他の毛皮の違いは、通常の毛皮は腹をメインに使いません。しかし、このリンクスキャットは腹の白い部分に大きな価値があります。このことはすでに知られていることですね。腹だけで作られたものをベリーと呼び、価格も1000万を軽く超えるものも多く、今ある毛皮のなかでも、もっとも高額な種類に属します。

リンクスキャットの特徴として真っ先に思い浮かぶものは、綺麗な斑点模様です。だいたいこのへんまでのことはネットで検索をすればすぐに出てきます。今回は、一般的なことは省き、ネットで調べても出てこないことを書いてみます。

リンクスキャットの皮質

リンクスキャットの特徴のひとつに、皮質があります。鞣し方にもよりますが、一般的には腹の白い部分以外は、意外に皮は厚いのです。ですから、ベリーは別にして、一般的にリンクスキャットのコートは結構重さがあります。背中の厚みのある部分を使うからです。

そして、もう一つ皮質の特徴があります。それは、皮の密度が高く、とても粘りもあり、ナイフの刃がすぐに刃こぼれしてしまうほどです。これは、何を意味するかというと、毛根をしっかりと絞め付けているせいかどうかは正確ではありませんが、一見弱そうに見える細い毛でも、抜けづらい特徴があります。おそらく皮質の繊維が細かく、粘りがあるせいかもしれません。あくまで想像ですが。チンチラのように皮が弱いものはやっぱり、毛根も弱く、少し強く引っ張るとすぐに、束で抜けてしまうチンチラとはまったく違います。

リンクスキャットの皮を鋤く

私のところでは、チンチラなど特殊なもの以外は、ほとんど独自の技術で皮を鋤きますが、リンクスキャットもやはり鋤いています。

一般的には、ほとんどが皮の厚いままで使われていますが、私のところの基準では厚すぎます。リンクスキャットの皮の厚い部分は2mm近くあるところもあり、最低でも半分以上は鋤かないと、思ったような軽さにはなりませんので、相当鋤きます。もちろん手なんかではやりません。

機械を使います。まず、最初に鋤き始めると、皮の表面が毛羽立つようになり、これを縦横と繰り返し鋤いていくと、ようやく、毛羽立ちがとれて、普通の皮の表面になってきます。そこからも繰り返し鋤き、ようやく思うような軽さになります。皮質のせいかどうかわわかりませんが、リンクスキャットの皮には鞣しで使う脂分が、とても少ないのです。そのため、皮を薄くすると、とても柔らかさが出て、フワフワの状態になります。

ただし、ここで気を付けなければ脂がほんとに少ないので、このまま使うならばフワフワのままなのですが、加工途中で一度水につけると、カチカチに硬くなります。私は、アルコールを水で少しだけ薄めて使い、出来るだけ硬くならないようにしますが、皮の奥まで水分が染みてしまうと、相当硬くなります。ドラムで柔らかくもなりますが、一度、しっかり水が染みてしまうと、元の状態にはなかなか戻りません。

ひとつ失敗談を言いますと、鋤きすぎて皮を切ってしまうことも数回ありましたが、ミンク等では、少し鋤いただけでも、毛根が飛び出し、すぐに刺し毛が抜けてしまう状態になりますが、リンクスキャットは皮が破れる寸前まで、毛が抜けませんでした。厚い頭の部分でやりましたが、ほんとにペラペラの状態になるまで毛が抜けませんでした。

裂けて始めて毛が抜けるという感じです。このことは、毛根が浅いということと、皮の繊維密度が高く、皮の粘りが強くあり、それによって毛が抜けるのを防いでいるのだろうという私が立てた仮説を立証するものでした。

リンクスキャットの腹の模様

次にリンクスキャットの模様、または斑とも言われますが、あの綺麗な斑点について書いてみます。

動物を飼われていらっしゃる方などは、たとえばアメリカンショートヘアーなどは背中の模様はほぼ左右対象だということは知っているかと思いますが、実はリンクスキャットの腹の斑点模様も、ほぼ左右対象に並んでいます。

コートになるとそれを意識して職人さんが作っていないものがほとんどなので斑はランダムなものだと、、それが天然というものだと、、、思われがちですが、実は、綺麗にほぼ、左右対象に並んでいます。多少左右の斑の大きさや形が違ったりしますが、基本的には左右対象になっていて、さらに中心もしっかりとあります。もちろん、左右対象じゃない、左だけにあったりするものもあります。100%左右対象ではありません。
リンクスキャットの背中の模様

上の写真を見てもらうとわかりますが、顎から下の部分で接ぎ合わせていますが、腹の中心を綺麗に合わせて作るとこうなります。意外に綺麗に左右そろっていますね。毛は斑の並びがわかりやすいように左から右へブラシをかけてあります。赤のラインの延長線上が接ぎ目になります。ここでいい加減な中心出しをして接いでしまうと、綺麗に中心のラインは通りません。

リンクスキャットの背中の模様2

もうひとつ上の写真をみてもらうとわかりますが、腹の中心に綺麗に直線に斑が並んでいるのがわかります。このようにコートでみるとランダムに並んでいるように見える斑点模様も実は7割は規則正しく並んでいるのです。腹の下のほうにいくと、どんどん斑が大きくなりわかりずらくなりますが、ランダムではありません。

もうひとつ写真を載せます。下の写真は最近作ったコートです。私はどちらかというと、真っ白のベリーよりは、少し黄色い部分が入ったもののほうが好きなのです。
リンクスキャット(Lynx Cat)

真っ白も確かに技術的にも簡単ではありませんが、原料次第という部分もあり、黄色の部分が入ったほうが斑やボリューム感、毛の長さ等を綺麗に合わせないと綺麗に出来ませんし、自然の色同士が、うまくマッチングしたときの色の立体感からいっても、やはりベリーよりは、こちらのほうが好きなのです。

このコートの写真の赤いラインの延長線上の前中心にも腹の中心が通っていますね。

ちなみに、このコートを作るのに使った枚数は24枚です。ベリー以外で、よく見られる一般的なリンクスキャットのコートの使用枚数は、8枚~12枚くらいです。しかも、小さな原皮でパサパサの毛質で、私のなかで綺麗だとおもうものは、ほとんどありません。同じリンクスキャットでも、白い腹の毛のボリューム感や毛の長さ等を比べてみてもピンからキリまであるのです。

リンクスキャットだからすごくイイもの?、、、というわけではありません。イイものを選ぶ目はプロだから持っているわけでもないのです。理解できていないプロもたくさんいます。ほんとにイイものは素人の方でも、うぁ~ 、、 という感動が心の奥から湧き出てきます。それが毛皮の本当の魅力であり魔力です。

背中心の大切さ

前々回のブログで書きましたが、背中心を正確に出すことの大切さが、今回の写真でもお分かりになるかと思います。

今回は背中ではなく腹ですが、それでもちゃんと中心があり、中心を合わせることで、左右に中心のラインが通り、一見ランダムに見える斑も生き生きとしてきます。

つくりを考えれば、リンクスキャットはいくらでもごまかせます。

適当に斑と毛の長さ、色を合わせれば、素人が作っても、なんとかなります。毛皮のミシンさえ、適当に縫えれば素人でも、部分的には簡単にできそうなのです。しかし、左右対象に黄色い部分をいれて自然にみせたり、しっかりと中心を出し、それを綺麗に活かすということを考えると突然、難易度の高い技術を求められます。

最寄りの、毛皮サロンに行くことがありましたら、そんなことを考えながら、商品を見てみるのも良いかもしれませんね。本当に良い商品は少ないのがよくわかります。

長澤祐一

 

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