アーミンのブリーチとホワイトニングの違い

前回のオーダーメイドの記事でアーミンのブリーチについて少しだけ書きましたが、今日は少し、このブリーチについてお話をしてみます。

このブリーチに似たような処理で、結果は大きく違うホワイトニングという処理があります。この二つの処方について私の経験で感じたことを書いてみます。

ホワイトニングは、あくまで白いところを青白くするという用途に使います。ですから、白とは言えないような色を純白にすることは出来ません。

ブリーチは白くないもの白っぽくする(結果ベージュっぽくなる)、または少し白っぽいが真っ白ではないという原皮をほぼ白に近づけるという用途に使います。

ではこのブリーチとホワイトニングの違いはなにかというと、ホワイトニングは白をさらに青みのある白にして純白に見せるということが出来、ブリーチはそれと比べると、白っぽいものをブリーチしても青白くはならず、どちらかというと薄いピンクっぽくなるか、薄いベージュのような、または生成りのような白になります。

ですから、あきらかな黄ばみのある原皮をホワイトニング処理しても青白くはなりません。なんとなく出来そうな気がしますが、出来ませんでした。

もう一つ付け加えるなら、サファイアミンクのような青味のある原皮をブリーチしても、青が薄くなって白に近づくのではなく、薄い茶系の色に変わります。私たちの髪の毛をブリーチしても黒髪がゴールドのような色になりますが、毛皮も同じで、全てどんな色をブリーチしても茶系になって色が抜けていきます。

簡単にまとめると、ブリーチは色をマイナスしていき、ホワイトニングは色をプラスしていきます。そう考えるのが解りやすいでしょう。

そして、ブリーチした毛の特徴として、強いブリーチをしたものは、人間の髪の毛と同じように痛みます。良い毛皮特有のボリュームがあってサラサラした毛さばきから少しガサガサした手触りになります。ホワイトニングでは毛が痛むことはありませんでした。

結果として言えるのは、アーミンの高いランクの、全体がほとんど白に近い原皮でも、わずかに腹やお尻は黄ばみがあります。それをホワイトニングで白くすることは出来ません。出来る部分は白または薄い生成りの白を青味をつけて純白にできるということでした。

これで解るように、どんなにランクの高い原皮を買っても、お尻と頭でジョイントすると、必ず白さに差がでますので白として使うにはたくさんのお尻と腹を落とさなければなりません。何故かアーミンは頭は真っ白のものが多いからです。

そしてその無駄がでる分、一着にかかる原皮の枚数も増えます。だからアーミンの白のコートのお値段は他の染色ものに比べて、かなり高くなります。

次回は、再度このアーミンの全体を真っ白にする方法が頭にありますので、それを試して見ようと思っています。もちろん、生成りやピンクっぽい白ではありません。純白にする方法をです。

 

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