オンラインショップビュー数

こんにちは。今日はオンラインショップのビュー数について書いてみます。

もともとファーというアイテムでショップのビュー数がそんなに上がるはずはないと思っていたのです。昨年四月のオープン当初は300くらいあったものが、ここシーズンに入り私が忙しいせいで、なかなか新商品をアップできずにいて数字は伸び悩んでおりました。最近は多い時で200くらいです。

今月の中ごろに、初めてショップで正式なオーダーがありました。お客様ありがとうございます。ひとによっては一年近くやってやっと一点売れたのか、、、と言われそうですね。これまでショップからのお問い合わせで商談として進んでオーダーをいただいたことはありましたが、純粋にショップの商品が売れたのは今回が初めてだったのです。

私のところの情報源としては、このブログとインスタグラム、そしてオンラインショップだけですので、よくインスタグラムの画像と、このブログで書いた言葉だけで、高額な商材を買っていただけたなと、自分は誇りに思っています。

以前も書きましたが、今は動画の時代です。ただ、動画で伝えきれないことが、きっとあるだろうと、これまでこのテキスト文字にちからを込めてまいりました。本来は逆ですよね。テキスト文字で伝えられないから動画を使うのです。それが普通の考え方です。ただ、自分は文字の力にショップの将来を託しました。それでいいと思っています。

その結果かどうかはわかりません。しかし先日、最初のオーダーの納品が終わってすぐにオンラインショップのビュー数がが3200を超えました。最初はなにが起きたのかわかりませんでしたが、もしかしたらお買い上げいただいたお客様が、何かブログやその他のSNSのようなツールで取り上げて頂いたのかもしれません。

実際、それ以外に考えれないのです。もちろんそれが事実かどうかはわかりませんが、それしかありません。

特定できない方にお礼を言うのも微妙なのですが、ここで改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

私のショップやブログの力では、3000を超えるビュー数などあり得ません。感謝しております。 お客様、ありがとうございました。

最後に、その3200もいったビュー数の画像をスクリーンショットして、ここに載せようともおもいましたが、それはやめておきます。ここに書いたことが真実かどうかは、これまでの私の書いたことから判断してもらうしかありません。

前回も書きましたが、動画や画像で真実を伝えるのが手っ取り早いのですが、それが信頼にほんとうにつながるのだろうかと疑問にも感じます。

動画や画像を使わなくても信頼してもらえるような、これまでの蓄積があれば余計なものは本来は要らないはずです。どっちを選べと言われれば、余計なものはなく、ひたすらこのテキストで表現して来たもので自分を証明していくしかないと感じます。    長澤祐一

 

 

お客様が満足さえすればいいのか?それとも自分が納得するまでやるのか?

今日のタイトルも難しいタイトルです。自分でタイトルを決めるので文句はいえませんが。

よく、仮縫いや本仮縫いで、お客様は納得しているのに、私も、当社デザイナー(家内)も、それで良しとしないことがあります。一般的には、お客様が良しとすれば、それで良しとするケースが多いかと思います。

私は、作る立場ですから、デザイナーとは真逆の立ち位置になる場合もあるのです。しかし、パターン的な問題になると解決方法は自分しか解らないこともあり、しかも本仮縫いの場合には仕上がった毛皮そのものに手を付けなければならないこともあり修正は勇気がいります。

修正をするにもカットして良い部分と駄目な部分が毛皮にあり、つなぎ目の毛丈や色が変わることによって大きく仕上がりに問題もでます。単純にパターンだけを修正し、それにコートを合わせれば良いのであれば簡単ですが、そんな簡単な条件はありません。

修正して上手くいかなかったことをつい想像します。当然怖さもありますから、時間をかけてずっと考えます。食べていてもお酒を飲んでいてもです。頭から離れないのでしょうがありません。博打ではありませんからやってみて経過を見るのではなく、私の現時点での知識を全て使って、これで良いかどうかを検証します。

お客様からは既に、OKが出ているのです。

しかし、お客様が知りえる範囲を超えたパターン上の技術的な問題は現実的には、お客様からOKが出たとは言えないのです。でも、お客様がOKを出したという、、そんな言い訳を使い何事もないようにスルーしてしまう現場が多いです。

私もよくそんな場面に直面しますが、やはりやるしかないのです。そのままスルーしたらずっと引きずります。

やって成功するかどうかという問題の解決方法は、徹底して修正方法をシミュレーションするしかないのです。それ以外はありません。

最近、3Ðシミュレーションで試着が見ることができます。私は東レのものを使っていますが、一番パタンナーが求めているものに近いと感じます。ただ、これでみても、うっかり不具合の現象が出ているのに見逃してしまうこともあります。

当然、仮縫いトワールや仕上がった毛皮と同じようには上がりませんが、逆に良くわかるところもあります。そして不具合が出ているにも関わらず私がその兆候を見逃してしまうこともあります。

話戻しますが、洋服の難しさは悪いパターンでも着れてしまうことです。そういう意味ではパターンは難しいと感じます。そこに毛皮という素材の難しさも加わり、さらに高度な考え方を要求されるのです。

今後、いろんなデジタルなツールが出てきますが、最終的には使う私の能力次第だということになります。

問題や不具合に気付いたときに、どうするかは自分に修正する自信があるかどうかであり、気付く力、イコール、修正が出来るということなのです。問題に気付くことにも自身の能力がいるのです。

なんかおかしい、、から始まって、最終的には原因をつきとめ、そして修正方法を考えるところまでいって、さらに再度やり直しのないように正確なテクニックで仕上げるということになります。

タイトルに戻りますが、自分が納得するまでやるということの難しさの根底には、自分への信頼感、自分が出来るという自信、それしか頼れないのです。私がその力があると言ってはいません。ただ、そうなりたいと常に考えてはいます。

長澤

決まった文章、定型文、テンプレートを使わない訳 そしてオンラインでの接客とは

私が、オンラインショップをやるようになって、いやそれ以前からかもしれませんが、お客様に出す情報のほとんどが、余程決まったものでない限り、ほとんどの場合、毎回キーボードで入力します。

他社では、ほとんどの場合、すでに決まっている価格表も含め、こちらを参照ください、、というようなものが多いですね。効率はその方が遥かにいいです。そんなこと解りきってます。

そして、効率を求めるのか、それとも質問を受けたひとつひとつに丁寧に答えようとするかはオンラインもオフラインも本来は変わらないはずです。それは基本的な会社や事業者のお客様に対する姿勢が反映されています。

仮に私達が以前いた百貨店で例えるならば、お客様から、この売り場はどうやって行けばいいですか?と聞かれ、店内見取り図の小冊子を渡して、これをみて行ってくださいというのと同じなのです。オフラインであれば、例えば百貨店であれば即クレームになるようなことが、オンラインでは平気で行われています。

理由は、全ては効率を優先するからでしょう。

でも、私もオンラインショップを始めてみて、またはブログやInstagramから入って頂いたお客様と接してみて、効率を優先するだけでいいんだろうか?とずい分悩みました。オンライン上では接客というものは存在しないのだろうか?と、、ずっと悩みました。

お客様は効率優先でいいのだろうか?当初、オンラインでは高額品はあまりなく低価格のものが多かったようにかんじます。しかし、今は高額品をオンラインで売ろうと様々な業者さんがしています。そうするとお客様の意識が効率だけを求めていいるのだろうか?とも疑問に思います。じゃあ、オンライン上でおもてなしとは何だろうとも考えます。

最近気づいたのは、やはりオンラインでも接客、そしておもてなしというものが存在するんだと認識するようになりました。

それは、とにかく言葉で、、目の前で話すことはできませんが、一時的には一方通行ですが、メールなどのやり取りで接客ということに近い、気持ちのおもてなしは出来るのではと、そう考えるようになりました。

たしかに時間はかかります。オンラインなのに意味があるのかとも不安になります。

しかし、避けては通れないとも感じています。もちろんせっかく力を尽くして書いても無駄になることもたくさんあるのです。しかし、百貨店店内では、そんなことはあたり前で日常茶飯事に起きています。

オンラインのなかでも、そんなことをしっかりと考えていかなければ信頼感、安心感を獲得することは難しいと感じます。

なんか上手く表現できたかわかりませんが、自分が日々悩んでいることを書きました。 長澤祐一

リフォームが専門ではないということの価値

今年初めての投稿です。本来ならばショップの商品のアップが最優先なはずなのです。それでも、このブログのアップが優先するべきだと考えます。

 

ショップも大事なのです。しかし、私達の基本はこのブログにあります。すべてをこのブログに賭けています。Instagram、オンラインショップとありますが、その中心にあるのが、このブログです。

 

タイトルの内容に入ります。

 

リフォームが専門ではないということの価値というタイトルですね。

 

リフォーム専門業者さん、もしくは、もうすでにオーダーをとる力のないメーカー、販売店、その他 たくさんいらっしゃいますね。オーダーも出来ます、、、とサイトに記載していても、どれほどのオーダーを受けていますか?

サイトにオーダー出来ますと、いくら書いてあってもやっているという実態はサイトにはみえませんよね。見えたとしても、こんなものオーダーと言って提供するべきものじゃないだろう???というものがほとんどです。業者さんには叱られるかもしれませんが、事実です。

 

前にも書きましたがオーダーは難しいです。そしてリメイクという呼び方が少しだけかっこよく綺麗に聞こえますがリフォームもリメイクも同じです。

 

そして、オーダーもリフォームも、やることはまったく同じなのです。

使う素材が、一から新しい素材を使うのか、お客様のコートを素材として使うのかだけの違いです。ですから、リフォームとオーダーの違いなどありません。素材として若干の制限があるというだけのことです。

 

それを所詮リフォームですから、、、、というようなお馬鹿な業者がいるかもしれませんね。言葉に出さなくても心のなかでそう思っている業者さん、、いませんか?

 

だからリフォーム屋で終わってしまうのです。

 

定番の形を決めて効率よく仕事を進めることも大事です。しかし、それで本当に満足するもの、、自分もですよ、お客様だけではありません。自分もお作り、納品して納得の行くものが提供できていますか?

 

リフォームという言葉に何か甘えていませんか?

 

でもやることはオーダーと何も変わりません。難しいのです。お客様の好みを聞き、ジャストなものを提案し、さらにジャストなサイズ、デザインを提供することの難しさは、簡単にオーダーが出来ますなどという業者さんが多いですが、そのなかのどれだけの業者がパーフェクトに仕事としてリフォームが出来ているかは難しいところです。

 

今日はすこし攻撃的な内容ですが、リフォームが出来ます、オーダーもできますという、仕事になればなんでもやれますという、その姿勢にほんとうに自信を持っているのかと思う局面が多々あります。

 

言うのは簡単なのです。言っていること、書いていることと出来るということとは大きな隔たりがあるのを業者さん自身が知っていますか?

 

今日はここでやめておきます。ネットにやれそうなように書くこと、実際に話してみて、やれそうなことをいうのと、実際に全てが出来ること、、とは違います。

 

タイトルの通りの内容になったかは分かりません。ごめんなさい。しかし、この思いが少しでも通じればと思います。 今日は今年最初の投稿ですが、書きたいことを思いっきり書きました。  内容チェックはしません。

 

 

長澤祐一

 

 

 

毛皮染色 黒の難しさ

毛皮の黒、例えばブラックグラマというアメリカンミンクの最高峰のミンクがあります。でも、それは黒ではありません。黒っぽいというだけです。しかし、そのナチュラルな黒っぽさは、まさに芸術的な黒とも言えます。

しかし、真っ黒ではないのです。毛皮を真っ黒にすることには問題があります。他の、例えば生地とかの染色のことは分かりませんが、毛皮のことであれば、それなりにわかります。

酸化染料と言われる、酸素に触れると黒くなるといわれる処方では、やはり限界があります。本当の真っ黒ではありません。同じ酸化染料でも染料屋さんがやるものはお湯につけて染色するようです。おそらくそのせいかもしれませんが皮が硬くなります。しかし、酸性染料でやれば私が依頼してやってきた結果でいうと柔らかさは保てます。しかし、これは染色時の温度をどこまで上げるかで決まるようにも感じます。私が黒として刈毛ミンクの染色を依頼したのは黒といっても黒に極めて近い濃いグレー、または濃いブラウンのようなものです。それでも十分に黒に見え、私はその処方で依頼していました。

酸性染料も本来の毛皮の染色である、お湯につけた状態で染色をするらしいですが、私はプロではないので詳しくは言えません。しかし、仕上がりについては誰よりも詳しいはずです。

その理由は、作る過程で、皮がどんな状態になったかを全て把握できるからです。染色加工屋さんも、例えば染色を依頼した問屋、または原皮屋さんも、そのほとんどが、表面的な黒の仕上がりしか見ません。無責任と言えばそれまでですが、しかたない部分もあります。技術者以外の、ほとんどのひとが皮を自分で濡らしたり加工したりしないからです。だから理解できるはずはないのです。

一般的に加工を請け負う業者さんは、原皮屋さんや問屋さんに仕事をもらう訳で、仮に皮が弱ってしまっていても、なんとか形にしようと思うのです。いわゆる、何事もなかったのごとく仕事を終わらせようとします。皮が弱いとは言いずらいのです。もしくは、職人さんが気付かないという場合もあるでしょう。

 

ここで少し黒の染色について書きますが、染色屋さんは黒といわれれば、より強い黒にしようとします。しかし、ここで問題が起こります。より綺麗な黒にするために染色の温度を通常よりも上げたとします。その結果クロム鞣しがかかっていても残念ながら皮は極度に痛みます。本来の柔らかさや伸びはなくなり硬く切れやすくなります。しかし、黒としては極めて綺麗な黒になるのです。温度をわずかにあげることで染料がよくついた綺麗な黒になるのです。

 

本来であれば、どこかで皮の強度がどこまで弱っているかを見極めなければいけません。しかしそれは皮を濡らして加工してみて初めて分かるのです。

私は染色は素人なのですが、例えば時間を低い温度で時間をかければ可能なのかと想像します。しかし、低い加工賃では、そんな歩留まりの悪い方法は使えません。

それは、仕事を出す方にも大きな問題があります。皮がより安全にキープされ、より綺麗な黒になるのであれば、加工賃が高くても、それを仕事を出す側は理解する必要があります。仮にそんな方法があったなら高くても、私はそれを選択します。

しかし、一般的には、皮のことを本当の意味で勉強している問屋や原皮屋さんはいません。もちろん当たり前のことですが、原皮の種類や価格、産地等については私が太刀打ちできないレベルなのでしょう。これを読んだら怒られそうですが、私もそんな使えない皮を買わされていますので言いたいことは言います。何度も、普通に引っ張って、バリっと切れる皮を買っています。もちろん知らずにです。今はほとんどのことが分かるようになりましたので、そんな皮を買うことはありませんが。黒の皮に関わるトラブルは結構あります。

例えば、使ってみて皮が弱いのが分かったら、私達の小売りの世界では、丁寧に謝罪して即返品です。しかし、この当たり前が染色加工や原皮屋さんとの間では、なかなか通じません。染色した皮が弱いか、または鞣し屋さんが鞣した皮が適正であるかは、染色加工上がりの皮を見るだけでは分かりません。

私も、以前加工業をやっていて工賃が安いな、、と感じていましたが、一切皮に対しての責任は負わない、あったとしても作り直し程度、、、ということで止まります。そしてその全ての責任は仕事を出した方が材料が駄目になった時のリスクを持ちます。

例えば、一般的に加工に出す場合は、その染色による劣化の度合いを知ることなくメーカーはお客様に提供してしまいますが、私の場合は直接お客様に納品するわけですから、その原料の状態から加工状態、仕上がり状態が全て見えるのです。

本音を言えば知りたくないことも全部解りますから、販売をすることにも重い責任が発生します。

話それました。戻します。

染色した皮の状態を理解するには、鞣し上がりや染色上がりの皮を何百回以上も加工してみる必要があります。鞣し上がりを軽く触ってみるだけでは本当のことがわからないのです。

そして、皮を理解するには、いろんな無理をしてみる必要があります。厚い皮を自分で鋤いてみるのも理解が深まる方法のひとつです。

例えばですが、染色とは違いますが鞣し上がった皮をさらに薄く鋤くのに、そのままでは毛根を切ってしまいますので、皮についているタンパク質をコーンスターチをお湯で溶いて、それを冷やしてドロドロになったコーンスターチを皮に塗り、一日置いて、コーンスターチのせいで発酵したのかどうかは分かりませんが、皮が膨らみ毛根よりも厚くなり、その状態で皮を鋤けば毛根を切ることなく皮を薄くできることなど、いろんなことを自分でやってみる必要があります。

やってみれば、常に自分が言っていることが正しいのかどうかが分かるはずです。やってないからわからないのです。リスクを冒すことでしか価値のあるものを得ることなどありません。毛皮は本当に難しい素材です。

その結果として自信をもって理論で戦うことができるのです。

話を戻しますが、染色イコール、単純に色の話なのですが、黒に関しては色と皮の状態の両面で話さないと、本当の意味で毛皮の黒について話すことはできません。

でも、言っときますが、本当に解ってないですよ。大半の人、、、いや、大半の業者の人がです。解ってないです。とても残念です。毛皮で皮がダメになったら毛がどんなに黒く染まっても価値はないのです。どこかに響けばいいのですが。

何故こんなことを書くかというと、染色屋さんも原皮屋さんも問屋・メーカーも知らない黒の染色リスクを最終的に被るのは商品を買うお客様になるからです。皮に大きなリスクを背負った商品が知らずにお客様のもとに行ってしまうことが一番問題なのです。業者は多少、おやっという部分があっても、これくらいは、、、といって見過ごしがちになります。人間ですから。

でも、そうならない技術や知識があれば防げることがたくさんあるのです。

今日は半分怒りながら書きましたので、ぐちゃぐちゃです。少しずつ、いつものように何度も読み返し修正します。

逆に言うと投稿当日のほうが本音が見えるのかもしれませんね。💦 長澤祐一

毛皮リフォームの本当の意味と価値

毛皮のリフォームで検索するとたくさんのリフォーム専門業者さんがトップページに出てきますね。私のところは以前は4ページ目くらいに出てきましたが、最近はリフォームの投稿もないため、何ページめくっても出てきません。

出てくるのは私が知っている業者さんが一ページ目に何件かでてきて、あとはほとんど知りません。それくらい様々な業者さんがリフォームをテーマにネットでアピールしています。

それはそれでいいんです。ただ残念なのは、ほとんどの業者さんが既成の商品をつくらずにリフォームしかやっていないことです。なんとなく、ただのお直し屋さんオンパレードになっていませんか?正規の商品を作ることをあきらめたその腕に大事なリフォームを託して良いのだろうかと悩みます。もちろん、リフォームは決して簡単な仕事ではありません。

 

今現在行われているリフォームとは一般的には、よく言われる表紙を変えて中身が変わらないというものがほとんどです。でもそれで良いんですか?だって皮も劣化進行中なのですよ。そのまま放置したら、どんどん劣化が進行するのです。もちろん、染色加工のしてあるクロム鞣しが施されているものは劣化しにくいですが、20年以上前の時代のものでコートで染色加工をしてあるものは少なく、ほとんどのものがドレッシングという毛皮を柔らかく仕上げるための鞣しがほとんどで、劣化しやすいものがほとんどです。黒でも鞣し屋さんで酸化染料で加工されたものは、やはり劣化は進みます。

 

それでも、知ってか知らずかは分かりませんがそんなことには、全く関知せずに形だけ変えるリフォームがほとんどなのです。一部には私のこのブログで気が付きリメイク前にクリーニングをと謳っているところもありますが、それでも、通常の業者がやるパウダークリーニングでしかやっていません。通常のパウダークリーニングで使う有機溶剤やオガの量では毛皮の皮から適切に劣化の原因になりやすい脂を抜くことはできません。

さらに自分でやったこともないのにパウダークリーニングが良いと何故言えるのかが解りません。毛皮のクリーニングは結果が目で見て解りにくく、様々な経験をしてやっとこれだと辿り着けるものです。クリーニングをホームページやブログに記載するならば、自身でそこまでやってから書くべきです。

以前からも、このブログで書いていますが、皮の劣化を止めるクリーニングをするタイミングがあるとすれば、リフォームをするこのタイミングしかないのです。

 

その一番大事なタイミングを知識経験がないことを良いことに、自分の都合で見た目のデザインだけを替えて、それをリフォームだと言い張るのは正直、どうなんだろうかと感じます。

本来、毛も、皮の状態も良くなったのであれば店頭の売り場に出してもおかしくないものが出来るはずです。

 

しかし、一般的には、これはリフォームだから、一般の既製品には劣りますという言い訳が、よく聞こえます。

パショーネのリフォーム品のレベルは、絶対ではありませんが、私が目指すものは、常に店頭で販売できるレベルにするということです。出来るかどうかは問題ではなく、そう思って努力や工夫をするところに意味があり、毛皮の状態が良いものは本当に店頭にだせるようなものになることがあります。

 

ただ、表表紙だけを替えてリメイクしましたという、よくある他社のリメイクとは違います。本気で店頭に並べ新品同様に扱ってもらえる仕上がりをリメイク後の状態と考えています。ここで書いてるだけではないですから。本気でそうなるよう、努力しています。良く考えれば当たり前のことです。低い技術で作られたコートをパショーネがクリーニングをしてリメイクするのです。最初より綺麗になるのは私にとっては当たり前のことです。また、かなり危ないことを書いてますが、本気で店頭に置ける品質のものを常に目指します。

例えばバッグやマフラー等の小物を作るときでも、必ずコートをばらしたときにクリーニングをします。古いコートにはダニや匂いが付いているものがほとんどです。小物だからと言って手を抜くことはありません。

 

本当に形だけのリフォームが多いことに残念な気持ちになることが多いのです。

 

最後に記載しますが、パショーネはリフォーム専門業者ではありません。メインの仕事は常に新作も作り、オーダーも受けています。そしてお客様のクリーニングも受けています。そのパショーネがリフォームをするというところに価値と意味があるのです。

 

長澤祐一

それぞれの業態がオンライン販売でぶつかり合うことの難しさと今やるべきこと

業態、すなわち作るところであったり、卸であったり小売りであったりと様々な業態があります。しかし、その大半の業態においてオンラインショッピングがあります。小売りだけではなく、卸や工場直販、、等様々なスタイルのなかでオンラインショップがあります。

難しいなと感じるのは、通常競合としている同業者であれば競争・競合は仕方ないのです。しかし、取引先であったり仕入れ先であったりするところも、最近では思いっきり競合になります。良い取引をしたいと思っているところでも、オンライン上では競合として強く争うことにもなります。当然、他社との違いを出すために記載する文言やキャッチフレーズのようなものも、一歩間違えれば相手を否定する結果にもつながります。

慎重に考え記載するのですが難しさを感じます。

 

以前は、このブログは毛皮のこと、例えば作りや原皮やクリーニング、リフォームのことを細かく書くことをやってきましたが、最近はオンラインショップを始めてからは、毛皮のことを書くというよりは、ショップまたはパショーネ、私達の考え方のようなものを伝える、そんなブログに最近はなっています。

オンラインショップを今年四月から立上げましたが、どうやって売上を上げるのか、どうやってお客様を増やすのか、、ということよりもどうやったらパショーネという会社のスタイルや考えかたを理解してもらうことが出来るだろうか?それだけに拘って書いてきました。

ある意味とても長い道のりですが、自分のなかではそれ以外に方法はないと決めています。商品をいくら他社のようにたくさんアップしても信頼関係は築けません。

オンラインという一方通行になりがちな場所で信頼を勝ち取るというのは大変なことですが、毛皮という高額であったり、分かりずらい商材であったり、手で触ったり見たりしないと解りにくい商材というハンディのある商材で、一番何が優先なのかと考えると信頼しかないなと、そこに辿り着きました。

今はそのことに集中し、Instagramにある画像やこのブログやオンラインショップで記載していることが事実であるということを証明していくしかないと考えています。 そして、このブログとともに、その証明をしていく大切な場所が川越のアトリエになります。商品、原皮、私達が作っているアトリエを見たいと思われる方は是非ご連絡くださいませ。     長澤祐一

 

ひとつの時代の終わり そして新なスタート

今日は、インスタグラムでアップしたリンクを貼ります。良かったらインスタグラムで見てください。

長い間、取り組んできた日本橋三越百貨店毛皮サロンでの最後の仕事が終わり、今後はこれまでの取引先に引きずられることなく新たな業態に取り組んでまいります。

このブログもまた興味深く読んでもらえるよう努力していきます。

長澤祐一

ショップに出す難しさ

今日はオンラインショップを立ち上げてみて、その難しさを少し書いてみます。

以前は百貨店の毛皮サロンに常設し商品を出していました。当社が小さな会社とは言え、数点なんて点数で毛皮サロンに常設は出来ませんから、それなりに私のところの規模に合わせながらも出品していたのです。そのなかには私が作ったものもや、僅かですが仕入れた商品も出していました。当社で全てのアイテムを作り切ることが出来なかったこともあり、割合は少ないですが仕入れた商材や国内加工で作られたものもあったのです。

しかし、オンラインショップを始めてみると、一点一点これはパショーネとしてショップに出していいだろうか?と商品を見ながら毎回悩みます。私が作ったものであれば、ほぼ納得してるものが多いのですが、それでも、そんな中にも時々悩むものもあります。さらに海外で作られた仕入れ商品や、国内で委託加工で作った商品などもあり、パショーネとして出すことを躊躇してしまうものもあるのです。

以前の百貨店毛皮サロンであれば、迷うことなく、他社の大半が同じように仕入れ商材だったこともあり出品していたのですが、さすがに独自のオンラインショップとなると、出品の基準がかなり厳しくなります。オンラインショップの商品に特別な保証書を付けている訳ではありません。しかし、やはり単独のショップとしての大きな責任を感じます。特に、ここで書いていることに偽りがないことの唯一証明が出来る場所がオンラインショップですから。

特に国内加工で作成したものに悩みます。その理由は、例えば中国で作られたものを国内業者から仕入れたものは、仕入れ商品として区別出来ますが、国内加工で作られたものは、パショーネのデザインのなかで作られており、在庫のなかに一部ですが、過去に国内加工で作られたものがあります。一般的には国内生産なら綺麗に仕上がったと思いたいところですが残念ながら中国製以上にクオリティが落ちる場合がほとんどです。加工賃も他所よりもしっかりとした金額を払っていてもです。

いつか、全ての国内加工で作られた商品を一度、バラシてみてアトリエで作り直すしかないと考えています。もちろんその時は価格を下げ、別のカテゴリーで出品いたします。そうしないと、パショーネのオンラインショップには出せません。もちろん私が作り直し納得したうえでの出品です。他のショップがどうかは分かりませんが、パショーネのオンラインショップでは、どんなものでも出品して売ってお金に換えてしまえと言うわけにはいかないのです。売れてラッキーとは思えませんから。小さなオンラインショップですが、以前の百貨店毛皮サロン以上に、このオンラインショップは私達の意地と誇りをかけて作っています。

そして、その下支えをしているのが、川越のアトリエです。現物確認や毛皮に関するすべの相談もお受けいたします。お悩みのことがあれば、是非お問い合わせをショップからでも、このブログからでも、またはメルアドを出したくない方はインスタグラムのDMからでも遠慮なくお問い合わせくださいませ。

以前書いた日本製という記事です。良かったら読んでください。

https://www.passione.co.jp/blog/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e8%a3%bd%e3%80%80%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e8%aa%a4%e8%a7%a3/

長澤祐一

真逆のこと

先日、テレビショッピングでチンチラとセーブルのヤーンマフラーを激安で売っているのを見ました。それはそれで良いのです。確かに安いです。

しかし、最後に言った言葉がまずいです。

チンチラは傷が一番抜きにくい、、、というか、傷物はそのままでは使えず、半裁の使い方にしてその部分を捨てるか、またはポンポンなどの小さなパーツにして使うかしか出来ず、それ以外で唯一出来るとすればヤーン(編み込み)なのです。ミンクやセーブルは同じ高額素材でも傷は、技術があれば綺麗に抜くことができます。しかし、チンチラは私でも難しいです。傷をぬいたチンチラをむくの状態で使うのは、品質を気にしなければ良いのですが、まともなものを作ろうとすれば、傷のあるチンチラの使用は無理です。もちろん傷のないチンチラを使っても綺麗に作るのは難しいのですが。

そんなことはないという技術者がいれば、その技術者が作るものはまともなものではないはずです。それくらいチンチラに傷があるのはまずいのです。

裏を返せば傷のあるチンチラは二束三文になるということです。私は買いませんが買うとしても当然半額以下以上の価格です。いやそれでも買わないかもしれません。それくらい傷のあるチンチラは使い物にならなず価値がないのです。もちろん、傷のあるチンチラを無駄にしないという発想は大事です。しかし、だからといって、何を言ってもいいかというのとは別の問題です。言ったひとも、もしかしたら製造現場の現実を知らないのかのしれませんが、おそらく私の想像が正しいと思います。

話戻しますが、そのテレビショッピングの最後で、たくさん買い付けたチンチラの中から悪いものをはねて、良い物だけを選んで作ったと言いました。唖然としますが、それは真逆だろう、良いものをはねて、悪いものだけで作ったと正直に言わなければいけないところを真逆に言うのは消費者を騙す行為だと、唖然とし、少し時間をおいてから笑いました。よくこんなことが言えるなと。

作りがわからない消費者をそこまで真逆のことを言って騙すのは、同じ業者として、毛皮に対する不信感を植え付けるようで辛いです。その言い方はどうかな~というレベルではありません。真逆の理屈です。傷のあるものを集めて丁寧に安価に作りましたというべきところなのです。

ただ、それでは夢がないのでいろんな柔らかい言い方はありですが、真逆の理屈を言っては困ったものです。これがネットやテレビショッピングの現実なんだ、見えなければ何言っても何を書いてもいいんだと、とても残念な気持ちになります。 最後にひとつ付け加えますが、今日ここに書いたことが100%事実かどうかは分かりません。推測で書いています。一部間違いがあるかもしれません。しかし、今回の記載がどの程度の確率で正しいかどうかの判断は読む人にお任せいたします。併せて、私が過去に書いてきた記事をもって信頼出来るかどうかを判断していただければと思います。    長澤祐一