ロシアンブロードテールと島精機PGM(CAD)

ロシアンブロードテールという素材を接ぎ合せる作業について書いてみます。まずは下の写真を見て下さい。

1 パターン

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2 ロシブロの縫い

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3 袖の縫い上がり

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4 袖の仕上がり

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通称ロシブロと言われるこのロシアンブロードテール素材は、附に特徴があります。その附を利用して、原皮を接いでいくのですが、一般的には、手縫いの一着分になったプレートとして売られています。 (さらに…)

毛皮のオーダーメイドの難しさ

私たちのアトリエでは仕上がりに効果があるとわかれば、どんなに時間やコストがかかっても、そしてリスクがあっても、ほとんどの場合トライしていきます。それが、誰も見たことのないような仕上がりを生むと信じているからです。

ひとつ余談ですが、今回のブルーアイリスは色が濃いことが特徴です。しかし、濃いといっても、綿毛まで真っ黒なわけではなく刺し毛が濃いということで、その濃い目の刺し毛に隠れた綿毛が、その隙間から青白く光るように漏れてくるその光景は、このブルーアイリスでなくては表現できない、素晴らしい表情であり色香です。写真を見てもアメリカタイプのボリュームと刺し毛の短さがよく解ると思います。 (さらに…)

毛皮のオーダーメイド(原皮の調達、そのニ)

以前、毛皮のオーダーメイド(毛皮の調達)という記事を書きましたが、今日は、実際にあったことを具体的に書いてみようと思います。

今回のオーダーメイドはブルーアイリスミンクのロングコートです。

一般の方には解らないかもしれませんが、メスのブルーアイリスをコートバンドルで持っているような原皮屋さんは、国内には、まずありません。しかも、メスの1~0サイズでアメリカ産で最高の原皮などと制限を付ければ国内では、まったく手配ができない状態になるのです。持っているところもないことはありませんが、当然、何年も前の、黄色く焼けたようなブルーアイリスがいいところでしょう。それほど、良い原皮を手配するというのは大変なことなのです。 (さらに…)